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 里見家に戻った一行は、加奈子に


 「ねぇ~加奈子さん?犬又さん、犬方さん、犬神さんの他にも


 お婿さん候補が居るって言ってたわよね?」美夏が、何かを思い


 ついたように加奈子に聞いて来た。


 「そうです、3人の他に後5人いましたが、1人は2年前に事故で


 亡くなったんで今は4人おります。」加奈子が答えると、「その4人って


 名前を教えていただけないでしょうか?」マスターが尋ねた。


 「はいっ!犬城 東二さん、犬飼 駿さん、犬良 大祐さん、犬崎 時政さん


 です」加奈子が、後の4人の名前を教えてくれた。


 「加奈子さん、もう一人亡くなった方のお名前は?」マスターが、加奈子に聞くと


 「犬原 明さんです。」と加奈子が答えると「事故って言ってたけど、何があったの?」


 恵海が尋ねると「2年前の冬に、8人で穂高に登ったらしいのですが・・・急に


 天候が悪化して、視界が悪くなり最後を歩いていた明さんが、足を滑らせて


 谷に落ちたらしいのです。」「えっ!落ちたらしい?遺体はみつかったのですか?」マスターが


 聞きなおすと「それが、地元の捜索隊も懸命に探したらしいのですが・・・・見つかって


 ないのです、だから私はもしかしたら、明さんはどこかで生きているんじゃないかと


 思ってるんです」加奈子がそう答えると、「う~ん・・・・」とまたマスターが腕を組み考え


 込んでいたら「すいません、先輩はいられますか?」北条刑事が訪ねてきた。


 「連汰先輩、解剖の結果がわかりました。やはり、被害者は青酸カリを服用したことが


 判明しました、「北条刑事、彼の住まいは?」マスターが北条刑事に尋ねた。


 北条刑事は警察手帳を開き「東京都世田谷区用賀です。」と答えると、「マスターが携帯電話で


 あっ!柴田?」「はいっ!先輩ですか?」柴田刑事が大きな声で答えると、「今から、あるとこ


 に行って欲しいんだけど、行ける?」マスターが聞いていた。


 「いいですが、少し後になります。よいですか?」「忙しいの?」マスターが尋ねると


 「今日、未明男性の遺体が玉川の河川敷で通行人が発見したのですよ」


 「その男性の名前を教えてくれ」「はいっ!犬城 東二・・・です。」柴田刑事から


 聞いて皆が、顔を突き合わせた。


 住所は、千葉県の館山市・・・・・・







 続く・・・・・