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 柴田刑事が、三谷の部屋に入ると・・・


 部屋は既に何者かに荒らされた後であった。


 「こりゃ~酷いな、何を探してこの有様だ?」柴田刑事が


 ボヤキながら、部屋の中を捜査していると、「警部!ちょっとこれを


 見てください」連れの警察官が机の上のメモを柴田刑事に見せた。


 メモには、「10日の夜24時 晴海埠頭 」と殴り書きのメモが


 あった。


 「やはり、三谷は誰かに呼び出されて殺されたと見ていいだろうな?」


 他に何か手掛かりになるようなものは無いかと調べたが見つからなかった。


 と「「喫茶室 SEE WIND」」で柴田刑事がマスターに話しをしている


 「しかしですね、ちょっと変な事に三谷の部屋にアルバムがあるのですが


 写真が1枚もないのです。」と柴田刑事が不思議な思いで話しをしていた。


 「えっ!アルバムがあるのに、写真がないのじゃなくて犯人が写っていたので


 持って行ったとか?なんてね?」美夏がミステリー作家の犯人の行動を真似て言ってみた


 「ところで、柴田!事件の関係者とはどうだった?」「それなんですが、三谷は


 本田の大学時代の後輩に当たるらしいんですよ」柴田刑事が皆に説明した。


 「そうなると、青木とも面識があったんじゃないか?」マスターが柴田刑事に尋ねると


 「自分もそうだと思い、青木に確認をしたのですが・・・彼は、知らないと」柴田刑事は


 言われたと答えた。


 「その時間帯の、青木のアリバイは?」横から恵海が口を挟んできた


 「恵海ちゃん!これでも刑事だよ、自分は」と柴田刑事がコーヒーを飲みながら


 「えへん!」といった感じで恵海に答えた。


 「青木は、午後19時から翌朝まで彼女の家に居たとのことで、早速


 彼女に訪ねてみた所、彼の言う通りだそうです。」


 「う~ん・・・今のところ、問題は二つだな?」マスターがそう言うと


 皆が「えっ!二つ?」「マスターどう言う事?」美夏が聞き返した。


 「う~ん・・・まだ、確証じゃないから」と腕組みをしていた・・・・


 「多分、江川、本田、三谷を殺したのは、青木だと思うよ」マスターが思いも


 寄らない事を言ったので皆が驚いてマスターを見た。


 「マスター、青木にはアリバイがあるのよ?」美夏がマスターに言った


 「それは、殺害されたとされる時間のアリバイですよね?その時間がずれていたら?」


 マスターが説明を始めた「多分、本田の後に殺されたとされていた三谷が先に


 殺されたんじゃないかな?」





 つづく・・・・