この物語は、全てフェクションですので


 団体名、個人名は架空です あらかじめご了承ください。



   プロローグ



 平成13年7月4日、アメリカ独立記念日


 午後9時15分・・・・都立長嶺高校の屋上に


 高校2年の芳田久志は、死を決意して靴を脱ぎ


 揃え、最後のメールを同級生の彼女に送ろうとしていた


 「「今まで、僕に優しくしてくれてありがとう もうこのイジメのある


 生活に耐えられないので、自由になりたいと思います。


 書きたい事は色々あるけど、未練が残りそうなので・・・


 僕を、好きで居てくれて ありがとう。そして、さようなら。」」


 送信・・・・・そして、彼は16年の生涯の幕をとじた。


 私がそのメールに気づいたのは、彼が飛び降りた次の日でした


 何故、気づくのが遅くななったのかは学校に携帯を忘れたから


 なので・・・・だから、彼が悩んだ末に死を選んだ時に相談相手に


 なれなかった事に悔やんでも悔やみ切れないまま、時がすぎて


 行った。




   1



 平成23年7月4日、芳田家の墓の前に私は線香をあげていた。


 「久志君、私 長嶺高校の教師になったのよ、あれから10年か・・・


 今も久志君からのメールを消せないでいるの」と言いながら、涙が頬を


 つたって落ちていた。そこに、久志の母と久志の妹が命日なのでお墓参りに


 来たのだった。久志の妹が、私に気づき近寄って来た「あの?間違ってたら


 ごめんなさい。もしかして、兄の同級生だった美沙さんじゃありませんか?」


 「そうです、蒼井美沙です。お久しぶりです。」「もしかして、毎年私と母が来る前に


 お花を上げてくれていたのは、美沙さんですか?」妹の涼子が聞いてきた、


 「朝早くに毎年来ていたけど、迷惑でしたか?」美沙が聞いてみると、


 久志の母が涙をながしながら、「ありがとう・・・久志も喜んでいると思います。美沙


 さん、ありがとう・・・・」声にならない声で両手を掴みながら、お礼を言っていた。


 「ところで、涼子さん?久志さんが当時イジメにあっていたと聞いているのだけど、


 何かわからない?」美沙が訪ねた。


 涼子は、「わかりませんけど、兄が亡くなってから部屋を整理したのですが


 日記を付けていたわけでもないので・・・・本当にイジメがあったかもわからない


 って、警察の方も学校の先生も確認できないと当時言われました。」と、涼子は


 納得して居ないような言い方だった。


 「実は、久志さんが亡くなる前に私にメールをくれたんです。」涼子は驚いて


 「何故、あの時にそのことを言ってくれなかったんですか?」


 「あの後、私の家が引越しをしてしまったのよ・・・」美沙も、実はそのことを


 気になっていた。


 「あっ!そろそろ私、御暇しますね。涼子さん、何かあったら連絡して?


 私、今長嶺高校で教師をしているから。」と、自分の携帯番号とアドレスを


 涼子に教えてその場を去った。


 「「喫茶室 SEE WIND」」には、今日も花水樹 蘭が頭を悩ませていた、


 「マスター何かアイデア無い?」「美夏さん、ミステリー小説家が素人に


 アイデアを聞いてどうするんですか・・・・ははははっ!」と笑いながら、マスターは


 コーヒーを煎れていた。花水樹 蘭は、石神 美夏のペンネームなので、マスターは


 花水樹 蘭とは呼ばず、本名の美夏と呼ぶのである。


 そして、ここのマスターは元警視庁の刑事だったが、刑事を辞めて喫茶店を


 開いたのである。


 「美夏さん、アイデアが浮かばないときはマンデリンでも飲んで、頭を


 スッキリさせましょう」と言いながら、マンデリンコーヒーをを美夏に差し出した。


 美夏の住まいは元々は中野区だったが、美味しいコーヒーとマスターに惚れ込んで


 毎日通える世田谷区に引越してきたありさまなのである。


 マンデリンコーヒーを一口飲むと美夏が疑問に思っていることを、マスターに


 聞いてみることにした。「ねぇ~連汰さん、どうして店の名前 SEE WIND海の風なの?」


 美夏も、マスターを親しみを込めて・・・・名前で呼ぶ時がある。


 「それはですね」と言った処に、お客さんが入って来た。


 「いらっしゃいませ、ただいまおしぼりとお冷をお持ちいますね、


 女性のお客さんだった・・・・派手な洋服と大きなつばの付いた赤い帽子、そして


 真っ黒なサングラスという出で立ちで窓際の席に着いた。


 「はいっ!おしぼりとお冷です。ご注文は何になさいましょうか?」


 「では、モカをお願いします。」


 「かしこまりました。」





 つづく・・・・・・