一般には、公共交通機関を利用するのは環境に良いとされますが、環境に悪いという説を検証してみます。

 

 

2019年度では、バスの値は57gでしたが、利用者数が減ったため、悪化しています。鉄道も17gから28gへと悪化しています。

 

公共交通機関は利用者が少ないとCO2削減にならない

自家用乗用車とバスとを比較してみます。

 

バスと自家用自動車の燃費は国土交通省の燃費データを利用します。

 

バス ……………   5.8km/l 

自家用自動車 … 17.6km/l

 

CO2の排出量については、環境省の排出係数一覧を利用します。

 

軽油 …………… 2.58kg-CO2/l

ガソリン ……… 2.32kg-CO2/l

 

1台、1km当たりのCO2の排出量を出してみます。

 

バス ……………  2.58kg-CO2/l÷5.8km/l = 444.8g-CO2

自家用自動車 …   2.32kg-CO2/l÷17.6km/l = 131.8g-CO2

 

バスは、4人以上乗客がいないと自家用自動車1人にも排出量が勝てないことが分かります。自家用自動車4人乗車ならば、14人以上運ぶ必要があります。

 

CO2の排出量削減のためには、乗客数の少ないバス路線は廃止し、その沿線の住民には積極的に自家用自動車を利用するように促す必要があるということになります。

 

たぶん電車でも同じような状態だと思われます。利用者数の増加の見込めない路線は廃止し、自家用自動車の利用を推し進めないとCO2の削減に結びつきません。

 

「公共交通機関は利用者が少ない場合には環境を悪化させる」ということです。

利用者の少ない公共交通機関は今後廃止される

これは現在の公共交通機関(特に都市部以外)を今後どうするべきかを経費以外の面でも説明したことになります。

石油ショック(第1次 1973年、第2次 1979年)の後、世界中で代替燃料の研究開発が行われました。その時の資料を基に解説をしますので、現在とは違っているかもしれませんが、まあ、そういうこともあるのだと、ご了解ください。

代替燃料

代替燃料は、石油系燃料主にガソリン、軽油(ディーゼルオイル)に代わるものとして開発が行われました。

 

ガソリンと軽油とを比較すると、実は軽油の方が熱価が高い(燃やすとたくさんエネルギーが得られる)です。ですから、従来のエンジンが使える液体系燃料としては、軽油の代替燃料を見つけようというのが最終目標となります。(結局当時の技術力では無理でした)

 

液体系以外ではハナからガスなものも従来型のエンジンで動かすことができるから便利じゃないの、ということで目を付けられました。

水素(他ガス系燃料)は熱価が低すぎる

水素ガスは副生物(工業製品を作る際に作られる余剰物)として容易に手に入るものとして期待されたのですが、代替燃料としては最初に淘汰されました。

 

パワーが得られなかったのです。エンジンを巨大化するしか大きなパワーを得る方法がありませんでした。これは致命的な欠陥です。

エンジンの利点は、小型化が可能なエネルギー発生装置という点です。小型化が無理となれば、淘汰するより他はありません。

 

余談ですが、TOYOTAが水素エンジンでレース用マシンを作っているとすれば、これはすごいことです。レースマシンに要求される大パワーを水素エンジンで生み出すことができたということになります。

 

水素エンジンはZE(ゼロエミッション)ではありませんが、低カーボンに近づけることができます。

 

将来的には、航空機のエンジンもノーカーボンあるいは低カーボン化しなければなりません。航空機の動力をモーターに代え、バッテリーを積むというのは非現実的です。バッテリーが重すぎます。

しかし、高出力水素エンジンならば、低カーボン航空機が実現できます。

 

しかし、TOYOTAの水素エンジンは、たぶん大出力ではないかも知れません。大出力ならば、将来の航空機エンジンにつながるわけで、大々的にそのことをアピールするはずです。エンジンについては特にコメントがありません。

ガソリン最強

液体系としては合成ガソリンやエタノールなど農産物から得られるものなどがありますが、合成ガソリンはコスト的に本末転倒で即淘汰されました。

 

エタノールなどもやはりパワー不足は否めません。(日本では食べ物を原料にはできません)

 

そこで、結局、ガソリンに戻ります。

 

ガソリンエンジンはガソリンを全て燃焼させているわけではありません。半分以下、1/4程度しか使っていないのです。燃え残りはそのまま排出されます。

これを改善しようというのは、当然の成り行きです。

 

エンジンの改良により、半分近くまでは燃焼させることは可能となりましたが、それ以上は頭打ち状態となりました。これ以上エンジン本体の改良は不可能となりました。

 

そこで、燃料添加剤による更なる燃焼改善が図られることとなりました。

 

当時はまだ排ガス規制等はなかったので、排気ガスに何の制限もありません。あらゆる添加物がテストされました。

 

結論から言えば、それ以上の燃焼改善はできませんでした。ただし、ガソリンは添加物を加えてもパワーアップすることはあっても性能がダウンすることはないということが分かりました。

 

何を混ぜてもいけるというので、水で薄めてしまえ、という結論に達したのです。

 

ガソリンと水を1:1で混ぜます。すると、ガソリンだけの時よりも1.5倍もパワーアップするのです。素晴らしい成果です。

 

ガソリンが半分で済むじゃないかー、ですが、いくつか問題がありました。ガソリンと水とを攪拌する装置をつけなくてはいけません。が、これはさほど難しくはありません。

 

問題は、水が金属を酸化させる良い触媒だという点です。エンジンテストを終えるたびに分解清掃が必要なのです。シリンダー内部に残った水分を取り除かねば、内部からさび付いていくのです。

走行後の整備が必須である。これは問題です。

 

錆びないエンジンを開発しようという結論を出して終わりました。

 

この後にセラミックエンジン開発がスタートしたわけです。エンジン潤滑剤も水にできるという理想的なエンジンでしたが、不首尾に終わったよ、というのを後に聞きました。他でも成功したところはなかったようです。

 

(余談)

当時の研究機関のテスト車はNISSAN車ばかりでした。

私が当時目にしたのはなんと2代目ブルーバードでした。コラム(シフト)のベンチシートに腰掛ければ、折れそうな細いハンドル越しに分度器型のスピードメーターが覗きます。(モモのハンドルに替えてあげたい)

 

NISSAN車を乗り継ぐのも、そして、つい初代リーフを買ってしまったのも、案外この印象があるからなのかもしれません。

「水素自動車」のキーワードで探すと燃料水素車と燃料電池水素車の両方がヒットしてしまいます。混乱する人もあるかと思い、違いが分かるように書き直しをして、再アップしました。

 

燃料電池で発電してモーターで走る自動車がFCV

燃料電池とは、水素と酸素を化学的に反応させて水と電気を作る装置で、発電所と同様と思えばよいです。

 

排気管からは水が排出されます。少量の水は環境に悪影響を与えることはありません。CO2 も排出しません。ですから、有害物質(Emissions)なし(Zero)となります。

 

ZEV(Zero Emissions Vehicle)になります。

 

 

水素ガスを燃料にエンジンで走る自動車が水素自動車

既存のエンジンの改造により水素エンジンを作ることができます。また、水素とガソリン両方を切り替えて使うことのできるエンジンもあります。

 

エンジンに吸い込まれるのは実際には、空気です。空気は窒素と酸素が含まれます。

エンジンにはエンジンオイルが必須です。ピストンがシリンダー内を上下に動きますので、若干の摩滅した金属粒子も燃焼時に交じります。

 

排気ガスには、窒素酸化物や金属化合物やオイル由来のCO2 が含まれます

 

したがって、ZEVではありません。

 

(追記)

TOYOTAが、レース用に水素自動車を開発していることから、日本の多くのジャーナリストがカーボンニュートラルと結び付けて報道し、またTOYOTAからも肯定するかのようなニュアンスの発表をしたために、FCVと同様に水素自動車もZEVであるかのような誤解を生みました。

 

水素自動車は、排ガス装置を追加するなどすれば、低公害車にはなりますが、ZEVにはなりません。

 

ガソリンエンジン、ハイブリットエンジンの開発に莫大な金をつぎ込んだTOYOTAとしては、資金回収を行う必要があります。しかし、一方で環境問題をないがしろにしているわけではないという姿勢を見せなくてはなりません。

 

TOYOTAは、実のところヨーロッパが環境問題になぜ熱心なのかは、一般の日本人同様に理解していません。いわば、ムードとしてしか理解していないのです。

 

TOYOTAは、ロビー活動によってアメリカではPHVも電気自動車と認めさせることに成功しましたが、ヨーロッパでは認めてもらえませんでした。そこで、ようやくヨーロッパでも売れる車EVを作り始めました。

 

環境問題が根底にあるということが理解できていない以上、(TOYOTAに限らず)日本企業の作るEVはヨーロッパ人が受け入れてくれるかどうか難しいところです。

 

少なくとも、リーフやHONDAeは、惨敗です。