Kansas

セルフタイトル

"kansas"

今も続く長い旅の始まりとなる記念すべきデビューアルバムです。

1 Can I Tell You
2 Bringing It Back
3 Lonely Wind
4 Belexes
5 Journey From Mariabronn
6 The Pilgrimage
7 Apercu
8 Death Of Mother Nature Suite

長い旅の始まりとなる記念すべきデビューアルバム、『Kansas』

一般的にKansasの代表作として扱われるのは『Leftoverture』か”すべては風の中に”が収められた『Point Of Know Return』で間違いないとは思いますが。

しかし、どうしたことかアメリカのプログレって日本では今一つ軽んじられるところがあるので、この２作でさえ微妙なんですが、ファーストアルバムなんてまず取り上げられることが無いですな(^-^;

だからといって完成度は決して低くないし、彼等を語る上では欠かせない重要なアルバムだと思っております。

まずは大陸特有の泥臭さと軽快さを備えた１曲目”Can I Tell You”。クラシックというよりカントリーを感じるバイオリンが如何にもアメリカといった感じでしょうか。歌えるメンバーが複数いるという強みを生かしたコーラスはもう完全に完成されてますね。

そしてその流れをそのまま引き継ぐ”Bringing It Back”。

J.J.Caleのカバーですが、バイオリンを大々的にフューチュアした見事なアレンジとロックンロールのピアノでスピード感あるブギーナンバーに仕上がってます。ライブは更にカッコいい。

”Lonely Wind”はSteve Walshが歌う名バラードですが、ここでの歌い方はライブアルバム”Two For The Show”で聴かせるような熱唱する感じではなく、まだまだ素朴で初々しい。後の上半身裸で短パン、ハイソックスで歌う暑苦しい、いや熱いSteveではありません(^-^;

そしてBelexesはハードロックナンバー。毎回イントロ聴くとなぜかDeep PurpleとRainbowを思い出す(^-^;中間部はUriah Heepか。

そして最初のハイライトは大曲”Journey From Mariabronn”。8分弱の中にドラマティックな歌と目まぐるしい展開の演奏が詰め込まれており、ライブでも欠かせない名曲ですな。

続くThe Pilgrimageは再び軽快なナンバーですが、最初期のYesを感じさせます。

そしてラストは２曲の大曲”Apercu”と”Death Of Mother Nature Suite”が続きますが、これもまた忘れられるには非常に勿体ない素晴らしい曲です。

エンディングと曲の頭が被さってるので自分は２曲で一つというイメージなんですが、続けて聴くと18分近くの大作。最初の”Apercu”は彼等が強い衝撃を受けたというイギリスのプログレの影響をもろに感じさせる曲で、最初の静かなオルガンと歌の部分なんか聴いてると”らしいなあ”って感じがする。そこからドラマティックなコーラスとバイオリンとギターのユニゾンを生かしたハイスピードな展開がたまりません。そこからヘヴィでハードな”Death Of Mother Nature Suite”に繋がるのが最高でして…。ギターとオルガンが大活躍でこれまたブリティッシュハードだなーと。

彼等のアルバムの中でもハードで、特にバイオリンが大活躍。初々しさや荒削りなところはありますが、ほぼ彼らの音楽性や方向性といったものは既に完成していると言っても過言じゃないでしょう。これぞKansas、見直して欲しいアルバムです。

Can I Tell You

Bringing It Back

Lonely Wind

Belexes

Journey From Mariabronn

The Pilgrimage

Apercu

Death Of Mother Nature Suite

全盛期のライブ映像の作品がないのは非常に残念。

Kansas-デビューアルバム"kansas"