非定型精神病(分裂感情障害) | Houling of wolf

非定型精神病(分裂感情障害)

1.非定型精神病(分裂感情障害)とは

 統合失調症と躁うつ病は、必ずしも明確に区別されるわけではなく、統合失調症と躁うつ病の症状が同時に見られたり、また、ある時は統合失調症、ある時は躁うつ病に見える場合があります。

経過を見ていると、発病当時は統合失調症といえる幻覚妄想状態にあったのに、その後は、躁うつ病になってしまったり、また逆に、最初は躁うつ病かと思ったのにしだいに統合失調症像を呈してくることがあります。

経過が長くていくつかの病院にかかっていると、ある病院では、躁うつ病と診断されたのに、別の病院では統合失調症と診断されたというようなことも生じます。
このような場合に、非定型精神病(分裂感情障害)という概念を用いるとわかりやすくなります。

多弁・多動で誇大的なことを言い、易怒的で、次々と物を買い、外を出歩く、いわゆる躁状態であると同時に、「テレビで自分のことを報道している」「盗聴されている」「死ねなどと聞こえる」「電波であやつられている」というような幻覚や妄想がある場合、「分裂感情障害、躁病型」といえます。
なお、診断上、注意を要するのは、多弁・多動の場合、必ずしも躁病症状というわけではなく、統合失調症で思考障害が著明で滅裂状態が躁病様に見えることがあるということです。これは統合失調症であって、分裂感情障害ではありません。
また、うつ病がひどくて「自分は絶対に治らない大変な病気にかかっている。自分は罪を犯した。」といった妄想がある場合、これはうつ病の症状である心気妄想や罪業妄想であって、これも分裂感情障害ではありません。

ただ、この分裂感情障害という診断名も、どのような診断基準を用いるかにより異なります。たとえば、「ある時に統合失調症と躁病が同時に見られたが、いったん普通に戻って、数年後にうつ病像を呈した、その後さらに躁病像となった。しかし、単独で統合失調症症状だけを呈したことがない場合』を考えてみます。これをDSM-Ⅳという診断基準で考えると、「躁うつ病(気分障害)であり最初は精神病像を伴う躁病エピソードであった」となりますが、ICD-10という診断基準では、「最初は、分裂感情障害・躁病型、その後、躁うつ病」となります。このような場合、この人の全経過をとらえて広く「分裂感情障害」とまとめておくとわかりやすくなるでしょう。

2.症状・経過
 
 分裂感情障害と呼ばれるものの共通した特徴をあげると次のようになります。

 ①発病が急激で、相性、挿間性、周期性の経過をとり、予後良好でほとんど人格欠陥を残さず寛解する。
 ②多彩な統合失調症様の症状(急性幻覚妄想状態など)を呈するが、躁うつ病的な情動障害を伴う。
 ③病前性格は典型的な統合失調症者の性格傾向とは異なって、易感性、几帳面、頑固などの傾向がある。
 ④発病に際して、心理的ストレスないし身体的不調が関係することが多い。
 
その他に、一般に遺伝負因が濃厚なものが多いこと、また急性期では高率にCPKの上昇が認められ、症状軽快とともに急速に下降するなどがあげられます。

3.治療

 抗精神病薬や電気ショック療法ともによく奏効し、比較的短期間で寛解します。
ただし、再発も起こしやすいといえます。

薬物療法では、炭酸リチウム(リーマス)、カルバマゼピン(テグレトール)、バルプロ酸ナトリウム(バレリン、デパケン)などの気分安定薬が有効な例も多くみられます


          ***** 某サイトより *****