今朝起きたら親不知の抜歯跡がほとんど痛くなくなっていた。少なくとも痛み止めが要らないくらいには。

調子に乗って夜に二郎系ラーメンに挑戦したら、ちゃんと食べにくかった、し、お腹苦しくて後悔した。チートデイというやつだ。

 

野球の話。キャッチャーの配球について今までのチームメイトなんかと話したことはほとんどない。相手チームやチーム内のほかのキャッチャーみていると、それなりのパターンは持っていそうなのだけれど、どうやら常に一定の基準なんかを持っている人は少ないようだ。だから、自分の場合はバッターボックスに立ってもあまり配球を読んだりはしない。たぶんみんな適当さは残しているから、考えてもしょうがないからだ。

 

自分が配球について基準にするのは、高校生の時に読んだ監督の大学卒業論文だ。監督は筑波大学卒業後すぐに教員、監督になってその年に自分も入学したから年は7つしか離れていなかった。だから書かれたばかりの論文もまだ情報としては新しかったし、学部生の書いたものとしてはかなり有用だったと思う。

 

それは前年の夏の甲子園一回戦をテレビ中継ですべて観戦し、右バッター、左バッターを身長別に短距離、中距離、長距離の6パターンに分けた上で、カウント別の打率を記録したものだった。カウントが複雑になればサンプルは減るから信憑性は下がるものの、ファーストストライクの打率なんかはかなり球種とコース選びの根拠にしやすかった。当時はまだ野村克也監督が楽天イーグルスで健在で、古田敦也や城島健司もいて(谷繁は代表的なキャッチャーだったけれど、二人に比べると地味な存在だった)、「根拠や理由のいえない配球」は一試合に一つもあってはいけないとよくいわれていた。だから、初級の入り方に理由も持てるということは高校生の時分にはすごい幸運なことだったし、初級が決まれば途中に極端な暴投などが挟まらない限りその打席最後まで一連の理由づけが可能だった。

 

今とは打ち方の基本が違う(昔は最短距離で上からバットを出し、ボールの下を掠めるようにして回転をかけるのが主流だった)なので、参考にしづらいけれど、例えば右打者のファーストストライクで一番打率の低いのがアウトコース低めだった。さらに変化球か直球かの優位性はなくて、極端にいえばどちらでもいい、キャッチャー個人の観察に基づいて選ぶ。重たい硬式用のバットで身体の小さなバッターが素振りをする場合、膝あたりの高さにポイントがあると身体が開いていることが多くて、つまり尚更アウトコース低め、それも外に逃げるボールはまず届かない、という風に。

 

基本的に初級は一番打率が低くなるであろう場所に構えて要求し、結果投球がどこにいって、バッターがどう反応したかで次の配球を決める、というのが流れだ。だから最初からパターンづけをすることはない代わりに、常にその時に打たれる可能性の低いボールを要求する、という形だった。もちろん、ピッチャーがその通りに投げられるわけはないので、それも込みで要求してみたりする。外一杯に投げてもらえた時には次に同じボールは要求しても来ないからウエスト気味に外に構えると丁度いいとか、フォークはハーフバウンドでもらうとか(ワンバウンドを止める練習は結構した)。困るのは、配球の流れのなかでバックネット一直線の大暴投が挟まるケースだ。そういう時はもう一度初球に立ち返って考えたりする。

 

左バッターは一塁方向に身体が流れるので外に逃げるボールが有効だというのは割と知られている(気がする)。右投手なら落ちるボールを決め球にするとか、左投手ならスライダーというように。それが、草野球なんかだとストレートとスライダー(かカーブ)の二種類しか持っていないケースも多い。左バッターに限らず球種が少ないのは考えもので、その上でコントロールがまだ発展途上だと「いまはこれが限界」と匙を投げることもある。というより、いまピッチャーが気持ちよく投げられる球を優先してもらおう、と切り替える。

 

それでも球種の少なさはそこそこのコントロール次第でカバーできたりもする。要するにバッターのタイミングの問題なので、最初に投げたボールよりも、バッターの振り出しが遅くならざるを得ない球種とコースに振り分けていけばいい。

 

例えば、初級アウトコース低めストレートで上手くストライクが取れた(ファールなら飛んだ方向もみるけれど)。もっとタイミングを遅くしたいからスライダーを同じコースに投げてツーストライク取れた。もう球種を持っていないからこれ以上タイミングを遅くできないけれど、要するにバッターから遠くに投げれば投げるだけ振り出しは遅くせざるを得ないから同じスライダーでアウトコースのボールを投げ続ければいつか振るだろう、という感じだ。このケースでは最初に外一杯で取れてしまっているから後半はすべてボール球勝負になってしまうけれど、ファーストストライクが内側であればストライクゾーンで勝負する球数はタイミングをずらしながらでも増える。

 

経験上あまりよくないのは、裏をかいて速いボールを挟もうとすることだ。大体バッターはそれを待っている。9割ぐらいの人は頭が悪い(こちらは口が悪い)ので、直球と変化球は交互にくるか、待っていれば反対の球種が来ると思っている。草野球なら尚更。で、打たれる。基本的には反射的に反応されるよりも、どんどん遅くなっていく方が嫌がられる(例外としてデブと比較的高齢の選手は除く、この手の草野球バッターは最初から直球の方を捨てている)。

 

括弧内の「例外」についてもう少し丁寧に書こうかと思ったけれど、集中力が切れた。

簡単にいえば、どちらも反応が遅いしデブは腰が回らない。体型をみて変化球から入るキャッチャーが多くてパチコンて打たれてデブバッターはいい気になるけれど、そこそこスピードがあれば最初から逃げずに勝負した方がいい。悔しそうな顔がみられる。

比較的高齢でも野球をやっている方はそもそも運動神経がいいので変化球なんかはさらぁっと反応して打ったりする。技巧派にみえるから身長に勝負したくなるけど、これは単純に真っ向勝負した方が潔い。で、ストレート勝負でいくと実際あまり打たれない。

 

雑に思いつくまま書いたのでまだ色々あるけれど、もう書かないかも。飽き性なので。