あ~勘違い | Wotans Auge

あ~勘違い

小学生の頃凄く好きな童話があった。
クラウスって男の子は
非常にチーズが好きで
いつも家族の分まで食べてしまいよく怒られていた。
しかし、ある日膨大な数のチーズに押し潰されそうになり
もうダメだ!って思ったときに目が覚め、それからは人の
チーズまでとって食べないようにしたっていう
夢落ちの童話だ。

詳細はよく覚えていないのだが
この作品独逸の物語だと思っていた。
家にその本があり
何度も何度も読み返したのだが・・・

この童話自分の中では
非常に懐かしくもあり何の心配もなく暮らしていた頃の
いい思い出であった。

今でもその本を見つけることができれば
ぜひ読み返してみたいのだが、
不幸にしてその本のタイトルを覚えていない。

この作品がドイツ作品で自分の原点のひとつだと
思っていた。

ところが、最近ひとつの事件が起こった。

独逸の友人が久しぶりに我が家に来るという事で
部屋の大掃除をしたところ、
弟の作文が見つかった。

この作文にこの作品の事が書いてあった。
弟はうちにあった本ではなく、
学級文庫でこの作品を読んでいた。
弟は7歳年下だから、もしかすると
私の持っていた本はその弟が
読んだ時点では紛失してしまっていたのだろう。

とにかく弟が全く同じ本を
家ではなく、学校で読んでいたということが
ひとつの驚きである。
彼は私と同じくらい本を読まない子供だったのだ。

作文を読んでみると物語のあらすじが書かれていた。
ところが一箇所だけ私の記憶とは全く異なる点があったのだ。

それはなんと


ドイツの物語ではなく
オランダの物語だと
書かれていたのだ!!!!

ガーン

いつの日か
真相を確かめるべく
その本を読み返してみたいのだが
恐らく弟があたっているだろうと思う。

同じゲルマン人の書いた話ではあるが
こんな記憶違いってあるだろうか。
かなりのショックであった。
自分にとってノスタルジックな気分に
なれたこの作品がオランダの物語であるという事は
ひとつのアイデンティティが崩壊したような打撃である。
ぜひこの作品を読んだ事のある人に
真相を教えてもらいたいと思う。

ところでこの弟
偶然にも同じ作品を読んでいたが
大学も仏教系でかつ哲学科。
このパターンは私と全く同じ。
私はカント哲学から興味をもって
哲学科に入学したが
弟は卒論にカントを選んでいた。

聴く音楽も私と同じ
インディーズ、パンクばかりであった。
唯一大きな違いは女性の趣味が
かなり異なるという点のみであった・・・