そろそろパリの夏季オリンピックが始まるが、前回の東京オリンピックが2021年、本来なら4年間あくところが3年間だとかなり短く思える。わたしが歳を取っただけかもしれないけど。
 今大会での日本選手は450名に及ぶ大規模なものになるようだ。団体球技では全ての種目において、男性女性どちらかのチームが参加しているようである。
 前回はホームでの開催だったので500名を超えるものだったが、ほとんど地球を半周して向かう土地なので、みなさんお体には充分気を付けて。
 と、言いたいところだが、EUらしく脱炭素をスローガンにエコシステムを導入したパリの選手村では、滞在用の宿泊施設にエアコンの類は無いそうである。
 もともとパリの夏季の最高気温は25度程度で換気をよくすればそれだけで外気温から5度近く下げることも可能だという。なら最高気温が30度だとしても室内気温は25度に抑えられるのでエアコンも必要無いかもしれない。
 ちなみにわたしの部屋だが、午後1時くらいで外気温が38度、エアコンの設定温度が28度で室内は30度。体感気温的には26度程度なので何とか寝られる。湿度は60パーセント前後というところだ。
 ところが、昨年はヨーロッパを猛暑が襲い、日本製のヒートポンプ型エアコンがかなり売れたとのことである。当然おフランスもそれに当たり、今年は本当に例年通りの涼しい夏なのかと疑惑が渦巻いている。
 そこでお金のある国の選手団は、個別にエアコンを持ち込むとのことらしい。もちろん日本の選手団もそうだろう。
 なにしろ外気温が35度となると5度下がっても30度。寝るにはちときつい温度になる。しかもそこに観光旅行に行くのではなくスポーツを行うためナノだ。
 しかしこうなると、お金のある国は独自の対策が行えるが、選手団を派遣するのもやっとという国もあるわけで、選手村での環境に大きな差が出てしまうわけだ。
パリ五輪の暑さ対策、富裕国のエアコン使用は五輪精神に反するのではないか(Yahoo!ニュース)
 もともとオリンピックにおけるメダル獲得数は、国家の有覆土に比例するというデータもあるわけで、どれほど選手団の育成に資金がかけられるかによって結果は明らかに変わってくる。
 またロシア共和国、中華人民共和国、朝鮮民主主義共和国のような共産圏の場合は、自由主義国家とのメダル獲得争いもあるわけで、国家の有覆土なんぞ無視して有望な選手には金をかけまくり、メダルを取れば天国、取れなければ地獄を見せていたわけである。
 オリンピックの理念なんぞ、1980年のモスクワオリンピックをアフガニスタン侵攻を口実に自由陣営国家がボイコットしたことから亡くなっているような気がする。
 それはともかく今回のパリオリンピックだが、3年前の東京オリンピックでさえ真夏に開催するのは自殺行為と言われていたわけである。
 今ほど温暖化が騒がれていなかった1964年の東京オリンピックでさえ、スポーツを行うのに適していた10月に開催したのだ。夏季のオリンピックの開催は秋口に移行した方が良いのではないか。
 むしろ猛暑になりそうな都市を選ぶのが間違っているような気がする。あと、脱炭素対策は判るが、それが元で選手団の生命が脅かされるのはどこか間違っているだろう。
 そこで提案だが、日本のエアコンメーカーがお金がなくてエアコンを選手村に導入できない国に、エアコンを無償提供したらどうだろう。主なメーカーとしてはダイキン、日立、三菱電機、富士通ゼネラルなどが合同でジャパンエアコンとか名乗って卓上型エアコンを配るのである。
 日本のエアコン性能を世界に示せるし、それなりに評判になると思うのである。ただ、配付したエアコンがフル活動すると、フランスの電機需要は一気に悪くなるため、電源供給が間に合うかが問題となる。もちろん二酸化炭素も恐ろしいほど排出されるだろう。

 ここで本気で脱炭素を考えるのであれば究極の選択だ。オリンピックそのものを中止すれば良い。
 酸素を吸収して二酸化炭素を吐き出すのは化石燃料発電だけではない。動物全般は生きていくためにそのような化学反応でエネルギーを作っているし、それは人間もそうである。
 人間はそこにいるだけでも基礎代謝分のカロリーを消費しており、そのカロリーの分を体内で燃焼しなければならない。
 もし人間が激しく運動を行えば、当然、酸素の消費量が増えて二酸化炭素の排出量は増えるわけだ。
 果たして必至の思いで減らした炭素は、選手たちの活躍によって生じた二酸化炭素で無駄になるのではないだろうか。
 オリンピックが国家を越えたスポーツの祭典であり、過去から今まで、そして未来にむけて受け継がれるものだとは思うのだけど、どうも白人連中のスポーツサロンに成り果てているし、そろそろ継続すべきかを本気で考えた方が良いのでは無いか。
 そんなわけでわたしは、真夏の間は無駄に動かず、部屋の中でゆったりと過ごすことにしよう。

 次回は、壽屋の美少女プラモデル、遊技王のブラックマジシャンガールの作成記録である。