アマゾンでのガンプラは相変わらずの転売天国のようで、定価か定価以下で売られているキットはほとんど見あたらない。
 そんな中、何気にHGUCを検索していたらサザビーが2500円で売られていた。このキットのメーカー推奨販売価格は3080円。恐らくアマゾン取扱の商品だろう。ここぞとばかりに購入した。しかしHGUCで3080円というのはなかなか高価である。
 元になったモビルスーツが全高25メートルという大きさなので、きっと自体も大きくなったのだろう。ジオン系列のMSだし、ふくらはぎの部分は思いっきりベルボトムだ。
 サザビーはアニメ公式ではシャア=アズナブル大佐が最後に乗ったモビルスーツであり、当然のように真っ赤で頭には角がついている。指揮官機と言うより総帥専用なのだが、そもそもネオジオンの総帥が大佐でパイロットと言うのがおかしい。
 しかしリビアのカダフィも大佐だったし、最近まで共産圏の最高指導者は書記長なのだし、ここは気にしてはいけないのか。さすがはお兄様でおなじみ魔法大学第一高校では司波美雪が3年になって生徒会長になったが、兄の達也は生徒会長の任命で書記長になっていたし。
 機動戦士逆襲のシャアの中で、アムロに向かって「お前のようにパイロットだけをやっていればよいというものではない」とか言いつつ、最後の最後までMSに乗っていた。
 しかしこれにはきちんとした理由があるわけで、ネオジオンの野望を阻止するためのロンドベル隊には白い悪魔ことアムロ=レイ大尉が、自ら設計したνガンダムに乗っているのである。こいつをどうにか停めないとネオジオンの艦隊はあっという間に宇宙のもくずである。
 クエスの乗るアルパジールとギュネイの乗るヤクトドーガでは役不足であり、結局アムロを抑えられるのはシャア大佐だけということだ。
 逆襲のシャアではロリコン疑惑とかマザコン疑惑とか、ろくでも無い属性を付けられているが、ことパイロットの能力としてはピカイチなのである。連戦連敗しているように見えるが、それは相手がアムロだからであって、彼と対戦して敗れていても今まで生き残っていることが奇蹟なのである。大抵の兵士はアムロに殺意を向けた次の瞬間には狙撃されている。
 そんなシャア大佐はジオン=ダイクンの申し子、一応正統的な血脈である。そこで道化と言いながら政治的なこともやりつつ、彼の悲願であるアムロ撃墜にむけて作られたのがサザビーだ。元々はヤクトドーガをあてがうつもりが、どこか心配になってより総帥をお守りするために作られた。
 ニュータイプ用のMSなので背面にファンネルコンテナを持ち、同時に六機のファンネルを使用できる。ヤクトドーガはファンネルを放出すると回収できずに使い捨てだが、サザビーはファンネルコンテナにリチャージ機能があるために繰り返ししようできる。
 機体の各所にバーニアがあり、腹部には大型メガ粒子砲を備えているのでコクピットは頭部にある。丁度モノアイの真後ろに脱出カプセルを兼ねたコクピットが配置されている。
 相手がアムロとνガンダムでなければ充分強いのだが「情けないモビルスーツと闘って意味があるのか」とか言って重要気密のサイコフレームの技術をアナハイムエレクトロニクス経由で渡している。
 νガンダムはアムロの提案と基礎設計で作られているが、メンテナンスを考えて既存MSの部品が流用できたりで普通のパイロットが乗ったらジェガン程度の能力しか無い。
 それに比べるとサザビーは第一に総帥を守るため、第二にアムロに勝利するためとかなりのカスタマイズが施されている。
 ちなみに本来の脚本を小説にした機動戦士ガンダム逆襲のシャア・ベルトーチかチルドレンではサザビーの代わりにナイチンゲール、νガンダムの代わりにHI-νガンダムが登場する。

 それで届いたキットだがやはり大きい。そして部品もそれなりに大きくなっている。
 特にふくらはぎの部分とジオンの威厳をそのまま形にしたようなシールドなど、大ぶりの部品も目立つが、ポリキャップを含むと部品数は200点というところか。
 それなりに部品数が多いのだが、それぞれの部品が大きいので判別はしやすかった。問題はポリキャップである。微妙に凸部分や穴の径が異なっているが、基本的に二個一組なのでそれらを基準に分類する。
 ちなみに、前部の関節が後はめ可能な構造になっているのでやたらポリキャップが多いのだ。
 膝の部分は二重関節、足は設置部分とかかとが稼働するようになっている。
 腰部も部品が大きいので判りやすい。フロントアーマーは左右が分離する形であり、リアアーマーはかなり大型でわずかに前後に稼働する。股関節ジョイントは固定になっている。
 胸部と胴部は一体となっているが、前後に合わせるのではなく、左右に合わせる。全面にはカバー、後面にはバックパックが付くので合わせ目が目立たない。
 頭は基部と装甲部分とアンテナ、そして動力パイプになりシンプルな構造だ。
 今回問題だったのが腕で、当初上腕部と全腕部の位置を間違えていた。それに気が付くまでそれなりに時間がかかった。
 関節部分の接続がポリキャップなので、少々接続に不安を覚える。肘は一重関節だが思いの外稼働する。
 バックパックは上部にファンネルコンテナがあり、ハッチは左右に開くがファンネルは固定だ。その代わり、起動状態のファンネルが六個ついてくる。MGでは稼働するのだろうか。
 下部には燃料タンクを接続するが、ボールジョイントを使用しているのでわりに自由に動く。
 そして完成してみるとそれなりに大きい。こいつのメンテナンスは大変そうと思える。

 今回は完成後に一回ばらしてポリキャップの調整をおこなった。スナップキットだからできることだろう。
 わたしにしてみるとこれくらいの大きさが組み立てやすい。美少女プラモデルも12分の1とか10分の1ではなく、6分の1スケールで出してくれないだろうか。

 次回は、適正な報酬額について考える。