透析を行うにあたり、回避できないのは内シャントに対しての穿刺である。
 透析は200ミリリットル毎分の血液をダイアライザーに送らなければならないため、静脈を動脈に直結してシャントを作るが、その血液を送るための穿刺針の太さもそれなりのものを用意しなければならない。通常は16から17ゲージの針を使用するが、これは外形が16分の1インチの太さである。
 ゲージは1インチを数値で割った長さであり、数字が小さいほど太くなる。鉄道模型のOゲージはONEゲージの略で線路幅が2.54センチメートル、HOゲージはHalfOneで2分の1となり1.27センチメートルとなる。
 16ゲージは0.158センチメートル、1.58ミリメートルで実際に診ると妻楊枝より太く、細い焼き鳥の串ほどである。透析時はダイアライザーに向かうためのものとダイヤライザーから送られるもののために二カ所刺す必要がある。
 ここで穿刺を行った場合、看護士さんや技師さんから必ず聞かれるのが「痛みはありますか?」だ。
 想像していただくと判ると思うが、1.58ミリメートルの針を皮膚を貫通し血管内部に入れるのである。どう考えても痛くないはずがない。これは局所麻酔を行って居てもほとんど変わらない。
 ここで素直に「痛いです」と答えると差し方に誤りがあったのかと少々問題となる。もしかしたら針先が血管を貫通しているのではないかとかだ。
 わたしの実体験から言えば、針先が血管を貫通しても痛みはそれほど変わらない。穿刺時により痛みを感じるとしたら、針先が血管壁を刺激する場合である。
 そこでわたしは痛いか、痛くないかの返事に以下の基準を設けている。
・穿刺して1分が過ぎても痛みが継続している
・今までに感じたことがない痛みがある
 どちらかといえば痛みがあるなしというより、違和感があるかである。なので穿刺後に「違和感はありますか」と聞かれた方が答えやすいかもしれない。
 ちなみに前記した血管を貫通していた事例だが、その時は特別な痛みはないが、ダイアライザーを稼働した途端返血が皮下に流れ込んで違和感を覚えた。直後、ダイアライザーも異常を感知して緊急停止したが。
 結局わたしはダイアライザーが稼働するまで判らないというのが正解だろう。

● 3月30日 土曜日 朝食
 食パン リンゴジャム
 卵焼き 大根おろし付き
 ブロッコリーのサラダ
 ヨーグルト

 さて今回の透析はレオカーナも併用したが、ここで久しぶりの低血圧症状にみまわれた。
 3時間30分の透析・除水では予定通りに終わり、上が129と正常値であった。
 ここからレオカーナに切り換えたのだがそこで血圧が低下、一時期88となって200グラムの水を戻すことになる。
 その後は無事レオカーナも終了し、上は148となった。体重は74.6キログラムでありほぼ予定通りである。
 透析だけの時とレオカーナを併用したときには、目標体重の設定がやっかいだと思い知らされた。

● 3月30日 土曜日 昼食
 雑穀米
 鶏肉のマヨネーズ焼き
 ジャガ芋とツナの煮物
 おくらとめかぶ

 本日の処置は看護士さんだったが、右足の保護が絆創膏だけになり包帯は無くなった。
 あとは月曜日にどのようになっているかが心配である。

● 3月30日 土曜日 夕食
 白米
 魚のあんかけ
 小松菜のおひたし
 ムース
 カロリー調整食 タマゴボーロ ラムネ粒

 昼と夜の間は4時間しかなく、全部食べるのは少々無理があった。あんかけ部分はほとんど残す。
 そして明日はこの病院で過ごす最後の日曜日……になればよいなと思いつつ、今日も眠るのであった。