少し前にウイルス性胃腸炎になってから、わたしの日常は少し変化した。
 データで判ることはドライウエイトが一キログラム近く下がったようである。それは確かに三日間近くは固形物を食べていないのだし、取り込んだ液体物にしても、少々汚い表現であるがストレートに体外に放出されていた。
 このままでは確実に脱水症状になると思い、アマゾンでポカリスエットの500ミリリットルペットボトルを5本購入し、なるべくそれを飲んでいた。通常の水分は大腸で吸収されるが、アルカリイオン飲料はわずかでも胃で吸収されると聞いていたからである。
 いつもなら水分の摂り過ぎに注意するところだが、このときは本当に非常事態である。どうせいくら飲んでもほとんどは大腸を素通りするんだシト思って居たが、透析前の体重測定で中二日にかかわらず、体重が400グラムしか増えていないことに驚愕した。
 ただ、あとから考えたら身体の脂肪分も分解消費されているために、この時点でドライウエイトも500グラム程度は落ちていたはずである。差し引いても900グラム程度の水分が身体に残ったことになるが、2.5リットルのポカリスエットで1.6リットル分は無駄になったようだ。
 先日のレントゲンでは心胸比が0.56とそれなりに大きな値になっている。このときの透析後の体重は76.1キログラム。数値だけを見ると75.5キログラムまで落ち込みそうだが、今後は食事も元に戻ったことである程度の体重増加があるのではないかと思って居る。

 そこで微妙な変化なのだが、罹患以前に比べると、小食になったように感じる。
 特にお米については以前、一回の食事で0.8合程度は食べていたのだが、今ではそれだと少々多く感じる。
 おかずについても以前ほど品数が少なく、場合によると0汁1菜程度になっており、これ、基礎代謝分も食べていないのではないかと思うのだ。
 ただ、わたしは食事以外にも間食をそれなりにしているために、身体を動かす程度のカロリーは摂っているのだと思う。ただ、その間食も以前に比べると少なくなっている。
 そもそも、自分で調理することに恐怖を覚えるようになった。結局何が原因で胃腸炎になったのかが判らないために、当日直前に作った一人焼き肉は、当面行えそうにない。
 一応その当時に蓄えていた食材はほとんど廃棄してしまったし、それ以降に購入している食材についても、捨てるタイミングが早くなったように思える。
 パッケージには賞味期限と消費期限がきちんと書かれていると思うが、残念ながらわたしはそれを確認出来ない。JASの認定で消費期限と賞味期限をQRコードで確認出来るようにしてくれないものだろうか。
 あとどんなものでも完全に火を通して食べるようになった。生で食べるのはカマボコと竹輪程度。それも購入日が疑わしいとそのままゴミ箱行きである。
 廃棄食品が問題と言われようが、こっちは身体がかかっているのである。こちらの生命をかけてまで廃棄食品を減らそうとは思わないのだ。
 それで罹患するまでは自炊の回数が多く、ユーバーイーツは三日に一回程度頼む程度だったのだが、今ではわりに利用している。
 ただ、出前なら安全課と問われると、簡単に頷くことができない。一応日本の食文化は他に比べると安全かもしれないが、それも絶対では無いからだ。
 こうやって考えて行くと、食べ物をとるのも怖くなってくる。
 一応腹は減るし食欲があるために、まだ今のところは良いが、心が食事を拒否しないように気を付けなければならない。

 あと、もし再度罹患することがあれば、それに対応するだけの準備を整えている。
 押し入れにはまだ残って居る大人用のおむつもあるし、消毒用のジ亜塩素酸ナトリウムも用意してある。
 食品についてはアマゾンで適宜購入できるが、冷蔵庫の中には非常用のポカリスエットを常備している。あとウイルス性の胃腸炎は治療薬が無いために、主に整腸剤と吐き気止め、熱が出た場合の解熱剤程度しか薬品が無い。
 あとはストレートに出ると判って居てもなるべく高カロリーで水分吸収の良い非常食を備えるだけである。
 また清掃用のタオルも備えておかなければならない。罹患後は感染症の拡大を防ぐために、ヘルパーさんや訪問看護士さんもキャンセルしなければならないので、その間は自分で家事を行わなければならない。
 一応、ウイルス性の胃腸炎は11月から翌年の4月までが流行のピークらしいので、それまでは食べ物飲み物には十分注意しよう。
 それにしても、ノロウイルスだとしたら感染元の食材はカキなどの貝類が多いらしいが、ここしばらくそんなものは口にしていなかった。
 原因が判らないことが本当に怖い。ともかく新鮮なものを食べることとしよう。

 次回は、いわゆる信者について考えたい。