2023年秋のテレビドラマ「セクシー田中さん」に関する原作者さんと日本テレビとの問題は最悪の結末になったが、これについてはわたしから何か言えるほどの情報を掴んで折らず、意見が言える立場でも無い。今後関係者はどのようにこの事態を解決するのか、そもそも解決しようという努力があるのかも疑わしいが、今の所は様子見というところである。
 一番の問題点は実写ドラマにするにあたり、原作のイメージをどれほど再現するかによる。ここは原作者とそれに対して放映権などを握る組織の考え方によるのだろう。
 件のセクシー田中さんの場合は、原作に忠実に行ってほしいというリクエストがあったそうで、この要望にかなわなかったことから原作者が最終話近くに自らが脚本原案を作るに当たったようだ。
 原作によっては映像化は全くの別物なので、それはどのように改変されても構わないとおっしゃる方もいるようだが、それはそれで原作者の要求となるわけだ。何故かテレビ局にしてみると「お前の作品をテレビで放映してやる」とか言う、上から目線で接してくることもあるようだが、昨今のテレビ離れでスポンサーもつかず、そろそろ強い立場にも出られないのではないだろうか。
 ともかく今回の日本テレビの対応は印象が悪い。日本テレビは逃げ切りを画策しているようだが、今までに不祥事を起こした方々が、無事逃げ切れた数は少ないし、昨今のネット時代になればより難しいはずだ。
 ここは事のあらましをきちんと調査して、誠意ある好評をしたほうが良いだろう。そうは思いつつ、24時間テレビの募金着服問題についても、日本テレビ系列のワイドショーでは取り扱わなかった様子を見ると、視聴率三冠王を数年連続で受賞していても今後は原作付きドラマが作られるか不明である。
 と言うか、今後小学館系列の原作付きアニメを放映できるのか疑問である。たしか「あれれー、おかしいなー」の原作は少年サンデーだったはず。

 ところで、章節からマンガやアニメ、ドラマに映画とメディア展開するとき、気になるのは原作の再現度である。
 原作を子ヨナス愛する方々にしてみると、例えメディアが変更されようとも原作通りに忠実な再現を望むだろう。
 ただ、原作によってはそのまま別メディアに変更したとき、問題が発生したり不自然な部分が出てくることもある。それをメディアに合わせて変更することで、より良い作品になることもあるわけだ。
 これでも守らなければならないのは原作者の権利であり、改編された内容をきちんと原作者が容認できるかが大切だと思う。
 例えばマンガをアニメにした場合に起きることだが、どちらも週に一度の連載を行う時、提示できる情報量が異なるためにアニメがマンガに追いついてしまうことがある。
 ドラゴンボールは良い例だろう。マンガの連載も遅くは無いのだが、アニメで放映できる情報はマンガの数倍になる。そしてマンガの連載に追いつきそうになると、アニメ独自のエピソードを追加するわけである。
 それなので完結しているマンガを原作とするのが一番良いのだが、人気の旬というのは連載中になる。できれば視聴率が一番かせげる時期を狙いたいわけだ。
 原作の物量と、それを別メディアに変更したときに釣り合わないこともある。
 お涙頂戴アニメの最高峰とも言える「フランダースの犬」は名作アニメーションと言う事で1975年1月から同年12月まで52話で放映されたが、原作の小説はほぼ短編と言って良いほどの長さである。あれをよくあそこまで引き延ばせたと思うが、アニメとしてはそこまで破綻していないように見えた。
 ところでフランダースの犬については、以前の記事でも述べたが実写映画になっている。この実写映画、日本で上映されたものは章節とアニメ通りのものだが、海外向けではオリジナル通りとネロとパトラッシュのハッピーエンドの二つから選ぶことができたようだ。海外の方々は悲壮エンドを望まないということかもしれない。
 逆のパターンで言うと山田風太郎氏の章節『魔界転成』も実写映画やマンガになっているが、原作は文庫本でもそれなりの厚さのものが上下巻で発刊されている長編なのである。とても二時間程度の映画に納まる内容では無い。
 魔界転成の映画で有名なのは、深作欣二監督のもので主演は天草四郎役に沢田研二氏、柳生十兵衛役に千葉信一氏が出たものだろう。この映画は映画でそれなりの迫力があって面白いのだが、中身は原作とかなり異なる。
 ネタバレを防ぐために多くは欠けないが、原作では天草四郎は幕府転覆を狙う一味の構成員であり主役では無い。映画では構成員の一人に細川ガラシャがいるが、魔界転成の秘術が行えるのは男性だけなのである。
 なのでこの映画、魔界転成というタイトルを変えて、原案:魔界転成とすればそれなりの娯楽作品だと思うのである。この映画について、山田風太郎氏はどのように思ったのかを知りたいところだ。
 そもそも山田風太郎氏の忍者章節は映像化に向かないかなり過激なものもあり、原作通りには映像化できないと思うのである。NetFlixあたりで挑戦する方はいないだろうか。
 昨今NetFlixで配信中のバスタードは、その放映にあたり各種警告が出てくる。映像その者を見られないのは残念だが、台詞回しを聞いていると原作通りだと思えるのだ。
 ネット民大好き「だが、それがいい」のジャンプ連載マンガ「花の慶次」のオリジナルは隆慶一郎氏の章節「一無庵風流機」だが、こちらは世間的な風潮で一部が変更となっている。
 マンガの前田敬二郎は沖縄に流れ着くが、章節では朝鮮半島に視察し半島で大暴れするのだ。そして朝鮮の貴族に属する美女を内縁の妻として日本に連れ帰る。いくらマンガと言え、これは原作通りにできなかったのだろう。どこか原作通りにNetFlixあたりで(以下略。
 原作付きのものを別メディアにする場合、まずは原作者の意向を最大限に取り入れ、それでもメディアでは再現できない部分についてはお互いで確認し、より良い作品になればと思うのである。
  とりあえず、実写版「伝説巨神イデオン・発動編」が完成すれば、何とか電子の目を実装して見て見たいと思うわたしであった。果たしてキッチン役はどのアイドルがやるのか?

 次回は、看護士さんの勤務状態について考えたい。