最近、足の指のトラブルが続いている。
 末期の糖尿病患者の場合、三大合併症を引き起こして身体中の毛細血管のライフはもうゼロよ、状態なのだが、それにともなって心臓から一番遠い足の指はダメージを受けやすい。
 問題なのは健常者であれば傷ができても、一定の血量があるために傷も治るのだが、場合によると自分で足に触れたときに氷かと思うほど血量が無いので傷がほとんど治らない。
 壊れた身体の組織を修復するにも、外部から入り込んだ細菌などに対抗する場合にも、体液の循環は必要なわけで、末梢神経障害を起こしている場合は当然体液の巡りも悪くなっているわけである。
 血量がある程度確保されていれば傷ができてもすぐにかさぶたが形成される。最近の医療ではなるべくかさぶたを作らないようにしているようだが、それでも身体は何とか前の状態に戻そうとする。これを身体の恒常性機能、ホメオタシスと言うが、これも血液循環が確保されてイテの話である。
 血量が少ないと再生に必要なものが監部に届かないために、最終的には部位が壊疽するわけだ。壊疽した部分はほっておけば身体から剥離するのだが、その部分には循環が発生しないために感染が起きると細菌が安易に培養する。
 なので壊疽の部分を早期に削除し、組織が再生できるようにするわけだ。そのためにも適切な血量が必要となるのである。
 今の所、右足は小指が欠損、人差し指の爪の付け根に血豆ができている。
 左足は親指の先端5ミリメートルほどが欠損、中指の指の腹側に血豆ができており、薬指は爪と肉の境目に膿腫があったが、それを取り除いたあとに爪が丸ごとはがれた。
 字形列的な経緯を説明すると、左の親指は2016年の7月、次が右足の人差し指で2023年の10月ころ。これはどうやらどこかでぶつけたのか、爪が二重になっており、ある非爪を触っていたら剥がれた。
 その下には再生した爪があったために問題では無かったが、その付け根が少し荒れている。
 そして2023年の11月に下北沢病院で左足薬指にある角質を取り除くと、そこから膿が出てきたとのこと。それは絞り出すことで感染は継続していなかった。
 ほぼ同時期に訪問看護士さんが左足の中指に大きな血豆ができていることを発券するが、こちらは出血もしていないし感染もしていない。そもそも全く痛みは無かった。
 そして年もあけた1月、左足中指の処置をしていたとき、何となく違和感を覚えて薬指を調べると爪がはがれていた。
 この部分、きちんと言っておきたいのだが、わたしは無理矢理剥がしたわけではなく、調べたら剥がれていたのである。それなのに透析クリニックの関係者のみなさんは「びわほうしが最後のダメ押しで剥がした」と言っている始末。
 左足薬指は爪が再生されていないために肉が露出しているようだ。端から見るとかなり痛そうだが、強く刺激しなければそれほどではない。潰瘍を起こしていたときに分離していたのかもしれない。
 そんなこんなで下北沢病院に訪れたが、検査の結果左足の薬指、中指ともに骨は異常なし。そもそも骨に至っていればかなりの激痛になるはずである。
 今後の方針としては監部にイソジンゲルを縫ってガーゼで保護、薬指は爪が再生されることを祈りつつ、中指は血豆がこっそりと剥がれることを願おうということになった。
 下北沢病院の主治医の言う事には左足が冷たすぎるということで、場合によってはカテーテルで指に向けての動脈を確保するかということになっている。
 膝から足に向けては三本の動脈があるらしく、糖尿病患者の場合はそれらが閉塞しがちだそうだ。全く血量が無くなると足全体が壊疽を起こして切断するしかなくなるため、そうなる前に股間からカテーテルを導入して動脈内でバルーンをふくらませ、さらに収縮しないようにステンという金属筒を挿入し血量を確保するのである。
 カテーテルそのものは麻酔が効いていると痛くないし苦しくも無いのだが、股間のそれなりに太い動脈に穴をあけることになるので、術後はかなりの強さの圧迫止血を行い、8時間から10時間あまり足が全く動かせなくなる安静態勢となる。
 身体を起こすこともできないため、食事もトイレも寝たきりになる。面倒なのはその安静機関である。
 カテーテル血量だけであれば一週間ほどの入院で済むはずなので、次回の検診で傷に進展が無い場合には4月くらいに入院になるかもしれない。
 ただ、東京医大病院では心臓関係の検査があり、それによっては心臓の冠状動脈に対してのカテーテル治療が行われるかもしれず、今年の春はカテーテル祭りにならないことを祈ろう。
 まあ、すっかりとポンコツの身体のために致し方ないと思いつつ、もうトラブルは起きるなよなと思うわたしであった。

 次回は、災害地におけるデマについて考える。