わたしの務めている会社も本日から来年三日まで、短いながらも年末年始休暇となった。だからと言って透析患者のわたしには年末も年始も無いのだが、それにお付き合い頂いているクリニックの職員の方々には頭が上がらないのである。
 今年から来年辺りは、コロナも収まっているために海外に渡航される方、海外から来日される方が増えるだろう。目が見えていた頃からわたしの年末は部屋でごろごろし、年始は部屋でごろごろしている。いわゆる寝正月である。
 最近では年中無休のコンビニエンスストアがあるし、ユーバーイーツや出前館のおかげで正月に食べ物に困ることは無い。恐らく透析以外に一歩も外に出ることは無いだろう。それはいつもの生活と何ら変わりは無いと思う。
 各種ゴミについてはいつから集積を開始するかによるが、なるべくゴミを膿まないようにしなければならない。そのためにもおせち料理を用意して三箇日をそれで過ごすというのは、意識高い系の言う持続可能な世界を実現するためにも良いのだろう。
 そもそも江戸時代の江戸ではあらゆるものがリサイクルされていたという。江戸の人々は武士と町人で構成されているが、町人のほとんどは今で言うところの貧乏人である。そしてかなり狭い長屋暮らしをしていたから、個人の所有物はほとんど無く、必要なものはレンタルで過ごしていたという。
 特に季節に関係する衣服や寝具はレンタルを使っていたようだ。そして出てくるゴミも再利用が可能であれば積極的に利用していた。
 その頃の生活パターンから、日本では都市部も地方も、海外の方々があきれるほど美化されているのかもしれない。そこを今更SSDGSがどうのこうのと言われるのはどうかと思う。

 環境、環境と騒ぐ割に、それ以上に環境に害を及ぼしている、今のところの筆頭格がEVだろう。
 確かにEVが走行している間は二酸化炭素を発生していないが、EVが作られる過程で出てくる二酸化炭素は、完成後に10万キロを走行しなければ内燃機関エンジンに対応できないという。
 そもそもEVが走るには電気が必要であり、その電気をどのように作り出しているかによって追加の二酸化炭素も変わってくる。
 曰く、中華人民共和国のEVは石炭で走っている。日本やアメリカのEVは化石燃料で走っている、欧州のEVは天然ガスで走っている。
 結局それらの燃料を燃やして電気を造り、その電気でEVを走らせるとしたら、石油を生成過程で作り出すガソリンで内燃機関を動かす自動車の方が効率的だと思うのである。
 そもそも10万キロ走行させるのは、自動車を作るための基礎技術がしっかりしていないと不可能だ。あと、今のリチウムイオンバッテリーは製造方法が難しく、それなりの技術が無ければ大きな被害を生むことは、日本ではあまり報道されていないがEVの炎上事故などを見れば明らかである。
 日本で作られたEVやHVではバッテリーの発火事故は聞かれていない。さすが潜水艦にもリチウムイオンバッテリーを搭載できた日本の技術と言える。
 バッテリーについてもリチウムにコバルトにニッケルというレアメタルを使うことから、その採掘についても再利用についてもきちんと考えなければならない。これらはきちんと処理せずに放置すれば、かなりの環境破壊を起こす。
 儲かるかもしれないと、内燃機関自動車に比べれば簡単な構造のEVに参加した企業は、10万キロ走行など考えて折らず、まるで携帯電話を使い捨てるように動かなくなったEVを放置する。CのEV墓場はまさに環境破壊の現場ではないか。
 実はこのバッテリー廃棄問題を起こす、もう一つのものがある。Windowsパソコンである。

10サポート終了でパソコン2.4億台廃棄も=調査
 以前にも述べたが、Windows10はマイクロソフトが最後のWindowsと言って世にはなったものだった。
 それが結局Windows11をリリースすることになり、来年辺りにはサブスクリプションのWindows12がリリースされるという噂もある。
 OSに生じた問題点を修正するためのバージョンアップであれば致し方ないだろう。だがWindowsのバージョンアップはそれとは別に、ハードウエアメーカーの「新しいパソコンが売れなくて困る」というリクエストに応えてのもののように思える。
 Windows11が発表されたとき、あからさまにWindows10からバージョンアップできないパソコン種別というのが解説された。主にセキュリティ関係の機能が不十分なパソコンはWindows11に更新できないという。もしWindowsを更新し、セキュリティパッチを受けたければ関連したパソコンを新たに購入せよということだ。
 最近はデスクトップパソコンよりノートパソコンの方が好まれるようである。そしてこの二種類での大きな違いはバッテリーを搭載しているかにある。
 4億近いパソコンが廃棄されるとしたら、それに搭載されているバッテリーも廃棄対象となる。それがきちんと回収され再利用されれば良いが、世の中の意識高い系は言葉だけで無く実際に行動してくれるかは判らない。
 一応、非対応機種であってもWindows11を搭載する抜け道があるようだが、このような形で旧来機種を駆逐するバージョンアップはいかがなものかと思うのだ。
 Office関係のアプリが年々機能を追加して巨大となるのは良いが、結局普段使われる機能はスマートホン向けの限定Officeで何とかなる。それと同じでOSにそこまでの機能追加と、それに対応してパソコンを買い換える理由があるのだろうか。
 わたしの部屋にあるパソコンは再生産品であり、ここ10年近くは新品を購入していないが、仕事でも個人でも問題無く動いて居る。
 世界でも有数の利益を上げている会社は、もう少し意識高くても良いと思うのはわたしだけだろうか。

 次回は、年末に起きた最後のごたごたについて語りたい。