かなり昔から懸念されていることに、石油とIPv4の固定IPの枯渇問題がある。
 どちらも20世紀末ころから言われていたと思うが、石油はまだいろいろな所から採掘されているみたいだし、中東の採油国は未だにかなりの金持ち国家である。それでもサウジアラビアあたりは石油一辺倒の経済構造をナントカしようとしているらしい。
 さて、IPv4は現在のインターネット環境において、ネットに接続されている機器の識別を行うためのものである。これには物理的な識別を行うMACアドレスと、論理的な識別を行うIPアドレスがある。
 MACアドレスは二桁の16進数が6個で分類されるもので、建前としては全てのネット接続箇所に別々の数値が割り当てられることになる。例えば一台のパソコンに有線ネットの接続口とWiFi接続があれば、それらは別々のMACアドレスが割り当てられており、これをパソコン側から変更することはできない。地図で言うところの緯度経度にあたるものだ。
 IPアドレスは二桁の16進数が4個で分類されるもので、ネットの接続について論理的なアドレスを示す者だ。MACアドレスと異なり、パソコン側でこの値は設定可能だ。IPアドレスとMACアドレスの結びつけは通信規格で言うとそれなりにハードウエアよりで行われるために、ルーターなどを設定しない限りMACアドレスを意識することは少ない。
 ネットに接続される機器は、全て別のIPアドレスでなければならない。同じIPアドレスがあれば、データをどちらの機器に送れば良いか判らなくなるからだ。
 なので世界統一的なグローバルネットでは、接続されている機器に別々のIPアドレスが降られている。ちなみに、IPアドレスの総数は255×4で約40億異なる。この数、それなりに多いと思われるかもしれないが、例えば世界中の人々が一台のスマートホンを持って居たとして、それぞれに個別識別が必要となるためにIPアドレスが70億となる。
 そもそもインターネットはアメリカの軍での実験的なものだったのが民間にも一気に広がったものだ。なのでここまで普及するとは思われなかったのだろう。Y2K問題やLinuxのカレンダー2038年問題にもよくにている。
 この枯渇問題を防ぐのに、IPアドレスの動的付与とローカルネットワークを使うことが挙げられる。本来、IPアドレスは固定値を持たなければ相手を捕捉できないが、固定にする目標を最小限度にして、ネットに常時繋がらない機器については接続時にIPアドレスを一時的に付与する。これがDHCPと呼ばれるものである。一般家庭が光回線などを引き込んで、ブロバイダーに接続する場合に相手先ブロバイダーから一時的に接続IPを付与されるのである。
 そして家庭内のネットはグローバルネットとは別の構成となる。家庭内にある機器通しを繋ぐ場合はグローバルネットに出る必要は無いのでローカルネットワークだけの接続になり、外部のサイトなどに接続するときはルーターを中継する。ルーターの設定時に192.168.xxx.yyyなどの数字を見たことがあるかもしれないが、これはローカルネットでのIPアドレスを示し、グローバルネットからは参照できない。
 ただ、グローバルネットでの接続数では40億というりみっとはあるので、その数制限を無くすためにIPv6という新しい機器の認識方法が出ているが、IPv4の方がかなりお手軽なことと、対応する機器通しで無ければ接続ができないために完全移行には至っていない。
 最近のブロバイダーではIPv6での接続が行えること、IPv4に比べると接続に余裕があるために高速であることがうたい文句になっている。

 それで枯渇が懸念されているIPv4であるが、わりに今でも簡単に付与されるところから、実は余裕があるのではないかと思っている。
 わたし一人で二つのIPv4固定アドレスを持って居るが、さらに追加は難しくなさそうだ。DIXというブロバイダーではフレッツ光で年間1万円(税抜き)で固定IPが一つもらえる上に、ギガフレッツに入って居るとそれなりに高速である。
 ただ、IPv4の固定アドレスは16新酢4桁であり、これを覚えておくのはなかなか難しい。このIPアドレスを覚えやすくするのがドメイン名であり、142.251.42.163 だとどこのサイトだか判らないがgoogle.ne.jpとすれば覚えやすくどこのサイトか判る。
 ドメイン名の最後のキーワードは主に国名を示しており、jpなら日本国内である。ただし、co.jpで終わる場合、国内で企業法人として活動しているものにしか付与されないという規定がある。
 comは一応アメリカを示しているが、実際にはどこの国という明確な規定は無いようであり、フリーのドメイン名を着ける場合にcomやnetは比較的摂りやすい。
 このドメイン名はそれにどんなIPアドレスが結びついているかを世界中のサーバーに定義する必要があり、これらの名前解決をするための電話帳のようなサーバーがDNS、domain name serverと呼ばれている。これらは相互に情報のやりとりを行い、ドメイン名とIPアドレスの関係を更新し続けている。
 なのでドメイン名はいずれかのサービスで登録が必要になるが、名前の取り方は早い者順で、必ずしも要求する名前が取れるとは限らない。主に簡単な名前のドメイン名はあらかたキープされているようである。
 家の外から課内のサーバーにアクセスしたいとき、固定IP割り当てからドメイン名を取得しておけば簡単にはアクセスできる。固定IPを取れなくても、ブロバイダーから動的にIPを付与されたときに、ドメイン名にIPアドレスの変更を通知するダイナミックDNSサービスも存在する。
 ただ、ドメイン名も気を付けなければいけないのは、あまりに判りやすい名前、例えば自分の生命でドメイン名を取得した場合、第三者からそこにアクセスされる可能性もあるわけだ。どうせ繋がるのは自分だけとセキュリティーを甘くすると情報漏洩になることもある。
 いずれにせよ、固定IPにするにせよダイナミックDNSを使用するにせよ、グローバルネットワークに繋がると言うことは、世界中に紋とを開くことになるので注意が必要である。

 次回は、最近存在が疑われている忘年会について考えたい。