毎年最初の透析日には、正月に関係する衣装で透析クリニックに出向いている。何故にそんなことになったのかはもはや謎だ。
 それで去年からついにネタが無くなり、干支に関係する衣装に変更した。去年は寅年だったので、虎のマスク帽子で訪れた。
 今年は兔年なので、バニーガールのうさ耳とうさ尻尾をつけて訪れる。耳にはすぐに気が付くと思うが、尻尾に気が付く人はどれほどいるやら。

 などとわりに平和な正月を送っているように見えるが、実は去年の年末にコロナに感染してPCR検査で初めて陽性となった。
 それから待機期間が明けるまでの7日間にはいろいろとあったわけで、ここでは数回に分けてその時の様子を説明する。
 つまり、転んでもただでは起きないということである。

 そして今回は発祥からPCR検査結果までだ。
 何となく自分が風邪のような症状に見舞われていると思ったのは2022年の12月26日、年末に向けていろいろと行わなければならなかったが、どうにも喉が痛く咳が出る。体温を測ると37.2度というどこか中途半端なものだった。
 ここのところマスクと手洗いを行って居たせいか、一年に一度は発熱していたのにここしばらくは平和だと思った矢先のことである。
 少し気になるのはこれらの諸症状が、風邪にもインフルエンザにもコロナにも見られると言うことだ。
 その日は解熱剤を飲んで就寝した。喉の痛みがあっても食事は普通にとれたし、咳も寝られないほどでは無かった。
 翌日は透析だが、午前八時を待って透析クリニックに電話を入れて、今の状況を説明する。
 クリニック側からの指示として、PCR検査を行ってから透析を午後から行って欲しいとのこと。PCR検査を行う病院はクリニックで探していただけるとのことだった。
 ところが午前中にPCR検査を行える病院が無い。そこで1時間遅れで午前中に透析を開始、終了後病院に移動してPCR検査実施ということになった。
 コロナ未確定ということで送迎はクリニックの車で行っていただいたが、乗員はわたし一人である。フィルター効果の高いマスクを配付され、それを装着してからクリニックへと移動となる。
 実はこの日、送迎関係でトラブルがあってなかなか大変だったようである。それにわたしが上乗せしてしまって大変申し訳なく思った。
 クリニック到着後は隔離状態で透析を行うが、穿刺から終了まで、担当者が変わらずに一人で行って居た。これは汚染範囲を限定するためのものらしい。
 透析中はいつも通りだが、なるべく他人との接触を減らすために、定時の血圧測定は自動で行われた。
 翌日の28日は下北沢病院に行く予定だったが、とりあえず発熱ということでキャンセル、関係各所に連絡を入れていると、感じたのは悪寒だった。
 普段は使用しない掛け布団をかけていただいたが悪寒はなかなか収まらない。解熱剤のカロナールを服用する前に体温を測ると38.4度だった。ちなみに今回の経過観察で、計測できた中での最高体温である。
 解熱剤が効いたのか、悪寒は消えたが喉の痛みと咳は継続である。
 通常通りの4時間透析を行い、そこから指定の病院に移動する。
 発熱外来で受付を行い、まずはPCR検査だが、結果は翌日以降に連絡になるとのこと。
 わたしの知っているPCR検査は、鼻の穴から綿棒を入れて奥の粘膜を採取するものと、唾液をあつめてそれを試験管に入れる者だった。
 ここはそれらとことなり、棒の先端に巻き付けた脱脂綿を口に咥え、そこに唾液をしみこませるというものだった。この方法であれば対象者の苦痛はほとんどない。鼻の穴に綿棒を入れる場合は、対象者がくしゃみをすることもあり、採取を行う方にも危険が及ぶのである。
 ただこの方法はドライマウスなど、唾液の分泌量が少ない方では大変なのかもしれない。
 その後、発熱外来の医師とカメラで対面診察を行い、あとはタクシーを呼んで貰って帰宅となる。
 そして翌日、PCR検査の結果がやってきた。陽性だった。
 ここから先がそれなりに大騒ぎとなる。PCR検査が陽性となると、検査病院から担当の保健所に報告がなされ、それ以後は保健所が聞き取りと今後の方針について説明する。
 保健所への申請は患者が行うのだが、わたしは目が見えないということで、病院から代行していただいた。
 その後、保健所から一回目の電話が入る。まず発症日を0日として7日間は観察期間となる。わたしの場合は発症日が12月26日であり、経過観察期間は翌年の1月2日までとなった。
 1月2日に解熱剤などの薬を24時間使用しない状態で、体温が37.5度以下であり症状が前日に比べて重くなっていなければ経過観察を終了とする。そこでのPCR検査は行わない。
 経過観察期間の中で透析日は12月29日と12月31日の二日である。ここで自宅療養となるか入院するかの選択肢となるが、わたしの場合は自宅待機となった。
 今の所入院治療のハードルはそこそこ高いらしく。

  • 年齢が65才以上

  • 医師から入院の必要性を問われている

  • 妊婦さんなど


 一応基礎疾患持ちであるが、入院とナルト透析施設のある病院で無ければならない。それに入院施設はそれなりに混雑しているという。
 一回目の電話を切って、はたしてあと5日、まともに過ごせるだろうかと不安に思うのだった。

 次回はコロナに罹患した後のIT利用について語りたい。