・水色・水色・水色・水色・水色・水色・水色・


虐待や殺処分をなくしたい…
という想いの
レオポックルさんの絵本
『 兄さんとレオ 』
を 紹介させて頂きます。

本を製作する知識を身につけるため
1年間学校へ通い 
自ら文章と絵を描いておられます。

限られたページ数で
伝えたい事を織り込みながら
絵と物語を構築する事は
簡単な事ではなかったはずです。

可愛い家族の事を
ブログに書いておられる皆さまには
虐待などは無縁な事だと思いますが
ぜひ ご覧頂きたいと思います。

そして今回 
絵本の内容を掲載する許可を下さった
レオポックルさんに感謝いたします。


・水色・水色・水色・水色・水色・水色・水色・


写真の貼れる枚数が限られているので
前編と後編に分けての掲載になります。

写真の文字が小さいので
文章を書き出しました。

こんな感じ↓になってます。

わかりにくくて 申し訳ないです(^o^;)

ではでは どうぞ…


・水色・水色・水色・水色・水色・水色・水色・





ぼくは レオ。
少し前に この家にやってきた。
知らない人 知らないにおい。
怖くて不安でたまらない。
おうちに帰りたいよ。パパやママに会いたいよ。
「パパ~! ママ~!」
何度も叫んだ。
でも どんなに叫んでもパパとママは 来なかった。
声が小さいのかな?
ぼくは 大きな声で何日も何日も 叫び続けた。
涙がとまらなかった。

そんな時 
寄り添ってくれる犬がいたんだ。
それが 兄さんさ。
泣いている ぼくに
「こんにちは ぼくが新しい兄さんだよ。
大丈夫!ぼくが君を守るよ。」
そういって ぼくの手を にぎってくれた。
兄さんの目は やさしく 
手は とてもあたたかかった。
ぼくには 
この家のルールは むずかしい。
言葉も なかなかおぼえられない。
モタモタしているとスリッパでたたかれるんだ。
痛いよ。怖いよ。

「もう できない!それに ぼくは犬だ!
人間となんか わかりあえっこないさ!」
そういうと
「そんなことないさ。レオはきっとできる!
そして みんな わかりあえる。
人間や動物 花や昆虫ともね。」
兄さんは やさしくほほえんだ。

兄さんと
「お手」の特訓をはじめた。
兄さんは できないぼくに何度も教えてくれた。
できると たくさんほめてくれた。
うれしかった。

ぼくは ほめられたくて たくさん練習した。
練習したら だんだん できるようになってきた。
できるようになったら 自信がついてきた。
「今度 " お手!" っていわれたら きっとできる!
パパ ほめてくれるかな?」
「もちろんさ! たくさんほめてくれるぞ!」
ぼくは パパに " お手!" 
といわれる日が待ち遠しくなった。


・水色・水色・


でも ぼくには 納得いかないことがある。
それは なんでもかんでも 兄さんが優先ってこと。
理由は 兄さんが先住犬だからなんだって。
ぼくも 先住犬になりたいよ!
でも 先住犬にはなれない。

先住犬ってね 
1番最初に家にきた犬のことらしいんだ。
先住犬は なんでも1番最初にできる権利がある。
新しいおもちゃを 最初にもらうのは兄さん。
ごはんやおやつを 最初にもらうのも兄さん。
ぼくは いつも2番目。
「なんだそれ!
そんなの 変だよ!おかしいよ!
たまには 1番にしてくれよ! 
ぼくは 1番が好きなんだ!」

「レオ!
順番は大したことじゃないんだよ。
それに兄さんはレオが1番好きだよ!
レオは1番大切なぼくの弟さ。」
そういって新しいおもちゃをくれた。

ぼくはやさしい兄さんが大好きさ。
それに兄さんはすごいんだよ。
人間の言葉がわかるんだ。
「一生懸命 聞いていたら
レオにも わかる日が来るさ。」
ぼくも 兄さんみたいになりたいな。

でも ぼくは納得いかない。
パパとママにわかってほしいから
時々 いたずらするんだ。
ぼくをたたくスリッパにも おしおきするのさ。


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ママ : 「レオは いたずらばかり。もう 手に負えないわ!」
パパ : 「明日 遠くの公園に捨ててくるよ。」
兄さん : 「……。」

「わぁ!兄さん車だよ!
どこに おでかけするのかな?
風が気持ちいいね。
ヤッホーイ!!」
「兄さん 公園だ!
いつも がんばっている ごほうびかな?!」
ぼくはワクワクした。

「兄さん てんとう虫だよ!
あっ!逃げるな!待てぇ~!!」
パパが車に戻ると 車は静かに走り出した。

捨てられたとも 知らず
レオは楽しそうに てんとう虫を追いかけた。


・水色・水色・


「パパ! 戻ってよ!
レオは 大切な弟なんだ!」
でもパパは 
まっすぐ前を 向いたままだった。

ぼくは 
パパの袖をひっぱってお願いした。
「パパ!お願いだよ!戻ってよ!」
パパは ぼくを振り払った。

どうしよう……。
ぼくは 兄さんなんだ! レオを守らなきゃ!
ぼくは 勇気をふりしぼった。
「!!!!!」
「レオ!!!」


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公園につくと 
何も知らず無邪気に遊ぶレオがいた。
そんなレオが 愛おしかった。

「兄さん! ぼくの頭を見て!
てんとう虫と仲良くなったんだ!
みんな わかりあえるって本当だ!
人間や動物 花や昆虫ともね。
兄さんの いった通りだね。
みんな 友達さ。」
雨が降ってきた。
「雨だ!おうちに帰らなきゃ!
あれ?パパ ?!パパがいない!
パパ!パパ~!」

パパを探した。
パパは見つからなかった。

「レオ!こっちにおいで。
「兄さん パパがいないよ!パパは?」
「レオ パパはぼくたちと暮らせなくなったんだ。」
「とうして?」
「……。」

兄さんが困っているように見えた。
本当は 聞きたいことがたくさんあった。
でも 聞かないようにした。

「大丈夫!いい子にしていたら
新しい飼い主さんが 
ぼくたちを迎えにきてくれる。
だから ここで待とう。
兄さんは そういった。

ぼくは泣くのをやめた。
だって ぼくには兄さんがいる。
だから 大丈夫さ。


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「雨にぬれたら 風邪をひくぞ。
レオ! こっちにおいで。」
兄さんは ぼくを抱きしめた。

やがて雨はやんで 空には星が輝いた。

「ねぇ 兄さん。
パパ 無事にお家に帰れたかな?
雨にぬれて 風邪をひいたりしていないかな?
パパが 風邪をひきませんように……」
レオは 夜空の星に祈った。

「レオは 優しくていい子だな。
今夜は寒いぞ。
レオが風邪をひいたら大変だ!」
そういって 
もっとつよく ぼくを抱きしめた。
ぼくは 幸せだった。
次の日。
遠くから人の声が聞こえた。
ぼくは警戒した。
なぜなら 怖そうな黒い影が見えたからだ。
レオを守らなきゃ。
ぼくは 会話を注意深く聞いた。

「犬が捨てられているって 聞いて来たの。
どこにいるかわかる?」
若い夫婦が子どもに聞いた。
「あそこだよ!」
子どもが ぼくたちを指さした。

「どっちにする? 
どっちもかわいいわね。でも 2匹は飼えないわ。」
夫婦がそういうと 
うしろにいた黒い影の人が
「私も1匹欲しいんです。好きな方を選んでください。」
といった。

悩んだ夫婦は
「お手といって 手を出した方にしよう!」
といった。

「ワンちゃん! お手できるかな? お手!」
そういって ぼくたちに手を差し出した。


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後編へ つづく…


・水色・水色・水色・水色・水色・水色・水色・