苗字②(完) | camouflage

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いつもの通り


「浩市、私のどこが好きになったの?」



結婚生活が始まって2年 祐珂は 彼に尋ねてみた。



「苗字」



「え?」



「だって 今 俺は サトウコウイチになれたんだぜ。あそこに寝ている長男は リュウタという名前にしたし、今度生まれてくる子も男の子だと聞いた。ケンとつけようかな。俺は今 とても幸福だよ」



祐珂は 眠っている長男のリュウタを眺めながら、やり切れない気持になった。