高陽マラソンはやや抑え気味に走って、それでも2時間6分台で走った聡の優勝だった
ゴール後、赤水新監督は大出前監督にメールしなよ、と預かっていたスマホを渡した
聡は前監督にメールした
次に、何であんなに早く千葉へ帰ったんですか?
ろくろく挨拶も出来なかったですよ、と付け加えた
現顧問は、素直に椎間板ヘルニアが悪化したから、と書いてきた
そして喜びの声も次に書いて
椎間板ヘルニアだったんですか?
と、聡は赤水に聞いた
ああ、限界だったらしい
相当きつかったらしくてね
と、赤水は聡に言った
私たちにも言ってくれたら良かったのに…
まるでサイゴンが陥落する時のアメリカ軍みたいな早さだった…
と、聡の隣にいた彩菜は呟いた
聡は彩菜に
お前、知ってんのかよ!?
とツッコミを入れた
赤水は微笑みながら、聡と彩菜に
さあ、ソウル市内に行って、何かお土産買わないか?
と、聞いてきた
赤水は
坡州のアウトレットも良さげだが
とも2つの候補地を出した
いや、東大門市場に行きましょうよ、赤水さん
と、彩菜は設定した
ああ、東大門市場?
行ったこと、まだ無いけど
赤水はそう答えた
あの辺行けば、何とかなりますよ、赤水さん
彩菜は自信満々で答えた
まあ、君らの韓国語で何とかしてくれ
赤水は行ってみたいと希望した
で、3人は高陽市から、ソウル市内へ行くバスを待った
赤のバスに乗りましょ
と、彩菜は言った

これは、今、良いのか…?
赤水がTシャツを見ていながら、呟いてた
作者は旗がこんな感じに書いているのを買ったんですよ
で、江南とか歩いてたらしいです
凄いな、街の中、これ着てたのか
赤水が驚いていたら
今はダメでしょうね
あの頃は長閑な感じで
何でも緩すぎな感じで、語学堂、これ着てたら、人気者なって、一目置かれるようになったらしいです
彩菜がそう言ったら、赤水は頷いた
やっぱ、スポーツ選手みたいになれば良かったかな
赤水は彩菜の言葉を咀嚼して答えた
相方さんも喜んだから、その影響は受けてますよ
仲間からは、そんなに韓国好きなんですか、と言われたらしいとか
赤水は諦めた
彩菜、買っていいよ
赤水は低い声で許可をした
秀俊は練習を始めようとしていた
世界陸上の疲れも取れて、チェファにタイムを教えて貰いながら走っていた
ヨンソクもチェヨンもチェヨンも高地合宿をしている
佐賀に残ったのは、秀俊ぐらいだ
明日も休みだから、どこかチェファ連れて行くか
秀俊はそんな事を考えていた
練習後、チェファがオーナーになった韓国料理の店に、2人で入っていた
結構、流行りの店になっていた
韓国の料理人は、何でも何度も練習し、レパートリーを増やして行った
夜はチェファが厨房を担当する
秀俊も来年夏世界陸上を走るので、まだ心に余裕がある
ヨンソクやチェヨンたちもデンバーに行った
少し暇になっているが、一般客が増えていた
チェファも明日は休み
少し余裕がある状態だ
なあ、チェファ、明日糸島行かないか?
秀俊がそう誘い水を掛けるとチェファは喜んだ
currentとか色々行けるの?
ああ、福岡にでも回ってもいいよ
チェファが尋ねると秀俊もそう答えた
じゃあ、今日は裏メニュー作るよ
チェファは嬉しそうだった

これ、何?
まあ、良いから食べてみなよ
あ、これ、旨い
でしょでしょ
秀俊は完食した
チェファは明日に気持が向かっていた