丘の上の庭026 | camouflage

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いつもの通り

親愛なる君へ



「父さんが言ったんだが 大学はソウルで行くんだ」



とマンソンは言った


「韓国に行くの?」


マンソンと僕が話してる後ろで 玉野さんとヘジンがキャッチボールをしている


「ヘジンさあ 球速いよな」

「そうかな、玉野さん」


マンソンと僕は二人を見ていた


ウッドワード先生は 昼ご飯を作っていた


マンソンと入江を見ながら話していた


「マンソン、韓国語喋れるのかよ」

「いや。喋れない」

「喋れないでソウルに行くの」

「父さんの命令には従わないと」

「おーい 昼ご飯出来たぞ。食べに来なさい」


ウッドワード先生の誘いにヘジンは

「はーい!分かりました」

と先生に走り寄って行った






君の家の本貫の街に行きたいと思っている



僕は母の家を継いだが、君の家は更に上だったようで
是非、近くに行きたい
家が分からなくても良い
君の街がどんな街なのか、見たいだけだ、うちより更にすごかったろうな

こんな家に生まれた俺も、嫌になるのも時々あるが
君は計り知れない厳しさを味わったはずだ


ああ、ペンションに泊まりたいよな
さすがに参ったよ
楽にやりたいもんだ
今度は釜山から行こうかな


今度、もう一回生まれ変われるなら、同じ街に生まれたいね