
なあ、綾奈
すっきりとした美味しい朝食だな
聡たちの周りには佐賀ランナーズクラブの面々の他に地方の上流家庭のお客が沢山座って朝食を頂いていた
さすがに南青山に泊まる人々は上品に食べていた
作者、受験の時、こんなホテルに泊まるとか知らなかったんだろうな
ご両親が勝手に予約して、表参道の地下鉄降りてしばらくしたら、唖然としたんだって
何でこんなホテル泊まらなくちゃいけないのか、どん引きしたらしいよ
自分で勝手に予約したら、良かったって…
そりゃなあ、本人はビジネスホテルみたいな所にしたかったんだろうけど…
でも風邪引いて熱がある時のスタッフの対応が凄く良かったんだって、素早くタクシー呼んで貰ったらしいよ
で、麻布の病院に行くようスタッフが伝えてくださったらしいのね
チェファは落ち着いていて、当然だという風に朝食を頂いていた
時々秀俊に注意していた
あなたも上流家庭の一員なんだから、ちゃんと頂きなさい
と、秀俊に言った
あと、チェヨンとシウォンも落ち着いて朝食を落ち着いて頂いていた
鏡と新開が隣に座っていて、チェヨンとシウォンが食べるのを確認しながら、頂いていた
特に青山学院出の人間に困った所はなかった、秀俊はチェファと話しながら、徐々に覚えて行った

美味しい朝食だったな、綾奈
そうだね、気分良かった
あ、聡、今日はコースの最初の下見だよ
早く行かないと
え?下見か、今日は
隅々まで確認しろって監督が
ああ、それなら急がないといけないな
早く着替えよう、ジャージに
しかし暑いな朝っぱらから
もう海水浴の季節だからね、さすがに
さあ、早く、聡
ああ…、待ってて
聡と綾奈が外へ出たら、マイクロバスの前に監督と赤水らスタッフが数名待っていた
おう、一番早かったな、聡と綾奈
みんな、揃うまでしばらく待てや
スタートの国立から見ていくからな、ゆっくりと
コース試走もやるからね、今度は
監督は、にこやかな表情をしていた
聡は世界記録会ホルダーだからね
綾奈がしっかり調子を見てくれたら良いよ
綾奈、頼むぞ
赤水も微笑んで言った
やがて全員が揃い、バスはスタート・ゴールの競技場へ向かって走り出した
どんな小さな道路の窪みでも逃さず見るようにしろ
危険なとこも見逃すなよ
大出監督は、そう言って、席に座った
監督は、自分が一番危険な箇所などを最初に見つけないといけない
そう感じていた