
楓は 着替えて、
「お兄ちゃん、絶対 楓と一緒に住むのよ。じゃないと淋しい」
と笑った。
そしてお互いに抱きしめ合った。
それは30分続いた。
僕は 楓の身体を その間、しっかり抱きしめていた。
楓もしっかりと僕の身体をしっかり抱きしめて、キスをした。
僕らは長い間キスし続けた。
楓を乗せて、僕は車を成田空港へ走らせた。
今日も夏の青空が、楓を照らして、眩しくしていた。
楓の肌に光線が映り、楓をまばゆくし、細やかな肌を更に細やかにした。
空港に行く間、僕は楓の身体を眺めていた。
楓は、僕を見て、
「お兄ちゃん、楓を見る目がやらしい」
と言って僕に悪戯っぽく笑いかけた。
成田空港の駐車場に車を置いて、楓のバッグを肩に担いで、国際線ターミナルへ向かって歩いた。
楓は、僕のバッグを持っていない腕にしがみつき歩いた。
「お兄ちゃん、お礼してあげる」
楓はそう言って、僕にキスをしてくれた。
僕は 楓の身体を強く抱きしめた。
そして楓は、
「必ずソウルに来てね、お兄ちゃん」
と言って 微笑みながら、下りエスカレーターに乗った。
約半年後、僕がソウルの空港のエスカレーターに乗って下っていたら、僕に笑って手を振っている 楓がいた。
「こっちこっち!いらっしゃい!お兄ちゃん」
- 完 -