東京での夏休み20 | camouflage

camouflage

いつもの通り




映画は 中盤から いやらしいカットが多くなった。



君と僕は 並んで見ていたが、君は恥ずかしそうな顔をして僕の横に座っていた。



「いやらしい映画ね。わざと借りたんでしょう」



「いや違う。ラブラブの話だから借りたんだが、少し過激だな」



君は 顔を赤らめて 俯いていた。



それが また可愛かった。




見終わった後、僕に君は、



「イルブロヘッソッチ。ノヌンヤハンナムジャインデ、ウー」



君は 僕の顔を見て、真剣に怒っていた。



「アニ、タニンデ。チョンマルモルラッソ」



僕は 君の顔を正視できなかった。



「キブニナパジョッチ。ネガモッテンダ」



僕は 君にそう言ったが、君は 膨れっ面をして 僕を見なかった。



「ヤハンノム。チョンマルヤヘグナ!ヨジャハンテメナオプタンマリヤ」



君は そのまま隣の部屋へ篭ってしまい、出て来なかった。



僕は 自分の大雑把さと、失礼さを詫びようと ドアの前に立ったが、君は出て来なかった。



僕は 出て来ない君に悪くて、夕食の準備を始めた。



君が怒ると 恐いと知った。



僕はカレーを煮込み、君に向かって、



「ナガワヨ。カレーマンドゥルゴイッソ。ヨギエオジュセヨ」



と声を掛けたが、君は、



「アンデ!ヨジャハンテ!アイグ」



と まだ怒っていた。



僕は 君の部屋のドアを開け、座っている君の脇に座った。



「あの、気分 悪くして 俺が悪かった」



と僕は君に言った。



君は 僕の顔を見ないで、



「女の子に対して失礼だと思わないの?考えてよ」



と言い、隣の部屋へ行き、テレビをつけて見始めた。



「明日、どこか行かないか」



と 僕は君に尋ねた。



「ディズニーランドに行きたい」



君は笑顔で言った。



僕は 君を抱きしめた。