
君と僕は 船に乗っていた。
君に携帯を向けると、君は微笑んでピースサインをして写った。
君と僕は 手を繋いで船から見える横浜の街、ベイブリッジを見ていた。
君は笑顔だった。
「ねえ、ホットドッグ食べよう」
君と 僕は手を繋いで、売店に行った。
海風が 僕らの頬や身体を撫でていく。
「笑って写りなさいよ」
君は僕とツーショット写真を撮る時、そう言った。
僕には まだ君の言葉が上手く飲み込めていなかった。
いや、消化しきれていなかったのだ。
君が今 依り所になっていたに違いなかった。
それを知っているのか、君は笑顔で僕に接している。
君は 僕の背中を強く叩いた。
「いい?ハングルで話すのは止めないよ。君に思い出して貰いたいから。約束を思い出すの」
君は、敢えて微笑みを浮かべて言った。
遠くに みなとみらいが見えた。
君の顔は 優しい微笑みになっていた。