東京での夏休み017 | camouflage

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いつもの通り



君と僕は 船に乗っていた。



君に携帯を向けると、君は微笑んでピースサインをして写った。



君と僕は 手を繋いで船から見える横浜の街、ベイブリッジを見ていた。



君は笑顔だった。



「ねえ、ホットドッグ食べよう」



君と 僕は手を繋いで、売店に行った。



海風が 僕らの頬や身体を撫でていく。



「笑って写りなさいよ」



君は僕とツーショット写真を撮る時、そう言った。



僕には まだ君の言葉が上手く飲み込めていなかった。



いや、消化しきれていなかったのだ。



君が今 依り所になっていたに違いなかった。



それを知っているのか、君は笑顔で僕に接している。



君は 僕の背中を強く叩いた。



「いい?ハングルで話すのは止めないよ。君に思い出して貰いたいから。約束を思い出すの」



君は、敢えて微笑みを浮かべて言った。



遠くに みなとみらいが見えた。



君の顔は 優しい微笑みになっていた。