
翌日、君は裁縫道具を買いたいと言って 微笑んだ。
「ムォルマンドゥルゲッヌンゴヨ?」
「ピミル」
僕は、君を 良く行くデパートへ連れて行った。
君を 裁縫道具がある階へ案内し、僕は君を見ていた。
君はセーターを編むのか、大きな裁縫道具を探して、買った。
君と僕は、次にスポーツ用品を揃えている階に上がった。
そこで水着を見つけた。
君は 女性用の水着を選び取り、僕に見せながら、口に手をやる仕種をした。
僕が女性用水着を選び取り、君に合わせようとしたら、君は身体をそっと翻し、また水着を選んでいた。
君は微笑みを浮かべていた。
僕も微笑んでいた。
君と一緒だと どんなささやかなことであろうと楽しかった。
僕らは 水着を陳列している場所で笑った。
屋上で 君は 外の空気に気持良さそうに触れていた。
東京の風景が、君と見ると いつもと違って僕の目には映った。