マーガレットホテル192 | camouflage

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いつもの通り

いずみとギョンヨンさんは、祝い事用の服装をして、一番上座に座った

おめでとうございます!

と、一番ヶ瀬監督が言うと、他の部員たちも

おめでとうございます!

と言った
披露宴兼パーティーが始まった
いずみとギョンヨンさんの正式な結婚式は6月に行われる予定になった

ラフな感じの披露宴が始まった
青山学院陸上部長距離ブロックとの為の披露宴
今日だけは酒も許された

カラオケの機械も置いてある

聡、六本木で客全員、100名ぐらいに受けた曲歌えよ

新開が聡に言ったが
聡は既に酔ってて

あの時、何を歌ったか、全く覚えてないんだよ
その後クラブに行って、始発で帰ってきたのは覚えてるんだけど
あの時、何歌ったんだろうな?
ちょっと待ってて、新開

新開は、聡を諦め
秀俊に何か歌えよ、と要求したが

俺は熊本だから、ばってん荒川さんのしか知らないよ
とは言わないが、選んでていいか?
しかし、あの時の聡は弾けてたな、六本木行った夜か
知らない人たち5人が聡の後ろで途中からバックダンス始めてたよな
あの時は100人の客に一体感があってな
すげえ、盛り上がったよな

秀俊は述懐していた

あいつ、選曲卑怯だよな、新開

ああ、センスがおかしいわ

新開と秀俊は笑っていた

で、その後クラブに行って、聡と綾奈は泥酔してたな

いや、クラブ行く前に出来上がってたな
あの二人、酒、全然ダメだからな
酩酊状態で踊ってた

ああ、見ろよ、あの二人、今日はダメだわ
もう酔ってやがる

聡と綾奈は酩酊状態で、もう出来上がっていた

いすみとギョンヨンさんは、赤水と一番ヶ瀬と一緒に、何か話していた

はっはっは、あなた方は良く出会う事が出来たね
運命ってヤツでしょう

赤水は正気だった

赤水は、全員を見回し、気を使っていた
自分は周りに気を使うタイプなのだと知っている
綾奈がそこへやってきた

綾奈くん、大丈夫か…?
少し顔赤いよ?

大丈夫ですよ、赤水さん
姉ちゃん、今日は生でヤッてもいいんじゃない?
気持ちいいから
ねっとりとした、キスしてさ、そんで…

はい、綾奈くん、アウト
ちょっと休もうか
綾奈は、赤水に誘導されて、一番下座に行った

うちの妹がすみません、綾奈、全く飲めないから

いやいや、大丈夫ですよ、すみませんはこちらが言う言葉ですね、ははは

9歳の時に、うちでウイスキーをジュースと間違えて飲んじゃったんで、それから避けるようになってしまったんです
たくさん吐いて、泣いたりして
それから怖がってるのもあるんです、お酒を

彼女の旦那は、もう寝てますね…
まだ酒宴が始まって大して時間も経たないうちに
おーい!三好

一番ヶ瀬は三好コーチを呼び、聡を綾奈の隣に眠らせて、と言った

そして三好が一番ヶ瀬の所に帰ってきた後、聡が叫んだ

皆さん!これから綾奈と一緒に子供の作り方を教えまーす!まず、ジャージの中へ…

おい!二人一旦部屋から出せ!

一番ヶ瀬は聡と綾奈を連れ出すよう、叫んだ

綾奈は身長163で体重47
スリーサイズは83-58-85、俺に取っては最高の女でーす!

あいつ…、睡眠薬入りの酒でも飲んだんじゃないのか

いずみも走って行った



披露宴はちゃんと進んでいた
色々考えられるだけの事は
聡と綾奈は、綾奈の部屋で眠ったまま
二人が不在のまま、順調に進み、やがて終わりの時間に

あの二人みたいにならないで下さーい!

と、声が飛んだ
会場がどっと沸いた

あいつ、コップ半分のビールであれだ
ひどいなあ

秀俊は呆れたように言った

もう、あの二人は、酒飲めないからオレンジジュースでも飲ませとくか
全く、極端なヤツらだ

新開は秀俊に呆れたように言った

みんな、本当にありがとう

そう、いずみが少し涙ぐんで言うと、ギョンヨンさんはいずみの手をぐっと握って

僕は今日日本に来てから良かったな、って感じでした
これからも青山学院の為に力を尽くします

と、喜んでいた

何かケーキがあるんですけど…!
この机の下に

祐平が上座近くで、綾奈と聡が用意した、と分かるケーキを見つけた

チョコレートに
いずみとギョンヨンさんが幸せになるように、と白い文字で書かれていた

あーっ!あの二人早く言えばいいのに!

一番ヶ瀬は叫ぶように言った

ケーキに目をやったいずみは泣きそうな顔になった
ギョンヨンさんはニコッと微笑んで、いずみの肩を抱いた