表彰式が、始まろうとしてる時に、立命館大のアンカーの烏丸ていう選手が近づいてきた
箱根の5区の区間記録や、世界陸上で金取ったからつって、なめてんな
うちかて鍛えとるんや
聡は烏丸の言動にムッとした
そんなつもりはない
烏丸は更に続けた
来年は立命館大を優勝させたるわい
いい気になんなや、ボケ
何もそういうつもりは、ねえつってんだろ
危うく喧嘩になりそうだったので、両校の男子マネージャーが制止させた
お前、京都の人間じゃないな?
おう、大阪の方や、悪いか
やめろって聡
新開が懸命に止めて、やり過ごした
付近では緊張が走った
烏丸も遠くに連れ去られた
何よ、あいつ
鏡が聡を必死に落ち着かせた
彩奈は、びっくりしたが、聡の手を握って念を入れていた
しかし、立命館が大躍進だな
さすがに関西の名門校ではあるな
秀俊は冷静だった
聡、喧嘩はするな
お前が烏丸殴ったら箱根で俺たちは苦戦する
秀俊は付け加えた
確かに記録いいんだよね、烏丸って人
10000、28分台前半なのよ
綾奈が呟いた
同じ学年でアンカーで、彼、意識してたんだと思う
でも、挑発に乗っちゃだめだよ
綾奈はしっかり聡の手を握っていた
表彰式も終わり、各大学の選手たちは、ライバルだが、話をしたりして談笑したりしていた
互いをねぎらったり
三ツ境、箱根で会おう
関西の大学には負けないようにする
法政の選手が、聡に叫んで言った
関東学連の選手は選手たちで和やかに話をしていた
さあ、みんな、川崎に帰ろう
自信持ってな
そして三冠にはこだわるな
一番ヶ瀬監督は近鉄に乗り、名古屋から新幹線で帰るつもりだった
秀俊がようやく回復したのでホッとしていた
秀俊も、まずまず走れたので同じ気持ちだった
病み上がりであれだけはしれたんだからいいじゃない
こんな時、実南がいたら、もっと良かったのに
鏡が言うと
佐賀大に入り直したいんだって
ああいった場所が好きらしい
と、秀俊は返した
私も太宰府は好きな街だからね
生まれて育って
新開は東京が良いかな
ムードメーカーの新開は、中津や柴田と一緒に笑っていた

なずなは佑介に送られて、南町田のマンションに帰ってきた
佑介はまたトンボ帰りをするらしい
事故だけは、気をつけてね
ああ、慣れてるから大丈夫
サッカーの試合なら、1日360分出ても大丈夫だから
じゃあな、なずなちゃん
最後、車の中でキスをした
そして、鏡たちの大学が優勝したのにメールをしてなかった事に気づき、慌てて、優勝おめでとう
云々と送信した
で、階段を上がり、自室のライトをつけた