マーガレットホテル163 | camouflage

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いつもの通り

新開は区間賞で走った
何だかんだ言って、大学2回目の区間賞だった
大学の誇りになりつつある

出雲で、2度目の区間賞を狙う聡は、後ろとはかなり離れた位置でタスキを受け取った
余裕である
10000での差は、聡は来年のオリンピックの内定者になったので、大学生の中には敵がいない状態にないし、しかもロードの方を得意にしているから、かなり開きがある

大学生の中には、聡の敵は、今年はいない
秀俊の怪我が治り、メンタル面もよくなれば、秀俊が面白い存在になる

聡は当面すいすい行くだろう
来年のオリンピックに既に文句無しの聡
綾奈と結婚した意味は大きい

まもなくゴール地点が見えてきた
綾奈も移動してきて、ゴール地点の様子を見ている
区間新記録の走りだった
またもや出雲駅伝で優勝である
大学は4連続3大学駅伝に優勝した


翌朝、新聞を見ると大学が、2年連続3冠に好発進の文字が並ぶ

新開の伸びは、長距離ブロックに大きな力となっている
高校駅伝経験者、中津や柴田を抜いたのだ
新開がいなかったら、大混戦になっていただろう
ヨーロッパへ、鏡と一緒にクロカン修行に出たのは大きい
一緒に走った選手から、新開と鏡相手にメールが来た
一部の選手と話を最後は話すようになった
そして知り合いも出来た
言葉も上手くなった

新開、駅伝優勝良かったね
またメールするよ

と、ポーランドの選手からメール来た
5人ほど、メアドを交換した選手がいる
今はラインで出来るんだっけ?
後はFacebookとかね
作者はあんまらメールは最近してないんで、その辺は疎い

新開はじっくりメールを見て、丁寧に返した
鏡もゆっくりとFacebookを見ていた


聡と綾奈は、まだ親族や親戚や知り合いの結婚式に出る機会がなかったので、よく知らず緊張していた

2人ともガチガチだ
どうしたら良いのか、上手く対応出来ない
とりあえず軽くキスをしたのは、覚えている
ライスシャワーを浴びた
そして、ブーケを綾奈が投げたら、鏡が取った
鏡は思わず、おお!と喜んでいた

披露宴になると、色々な方々が来ていた
日本陸連の人々もいたし、大学関係者の人々もいた
かなりの人々がいて、また緊張に変わる
昔の友人も見つかった

聡は、今度のオリンピックの宝物、綾奈はその妻
陸連の人や関東学連の人も、マイクに期待を込めたメッセージを送っていたが、過度の緊張をしている聡と綾奈には聞こえてなかった

披露宴でも友人たちや部員から写真を撮られる時は、緊張は抜けていた
新開や中津が写真を撮ったり、秀俊も俺が結婚式する時は来てくれ、と言ったら、緊張がほぐれた
秀俊もそう言って数枚写真を撮った
秀俊は、大切な友人だし、新開は太宰府で同じ学校にいた友人なので、やはり大切な友人である

一番ヶ瀬監督や赤水コーチらと記念写真を撮る時は楽しかった

監督、一番ヶ瀬って何て読むんですか、と他の人が聞いたら

ああ、佐賀に多い苗字で、いちばがせ、って読むんですよ

と、答えていた

そして

お前らと会ってから、佐賀に縁が出来たな、と監督は笑っていた