ピョンチャンドンとクギトンネルの間にある店だ
運転手は最初はにこやかで、ピョンチャンドンの方へ話をしながら2人を釣れて行った
綾奈が忘れ物をした店は、ヤクストというバス停の近くだった

綾奈が、ごめんなさいと言ってタクシーに乗り、再び山の中の道を走り出した
運転手は、あることに気づいた
バックミラーを見ている
後ろにしつこく車が付いている
運転手は怒らすと怖い人で
よし!バトルだ
と、心の中で呟き、急激にスピードを上げた
たまたま片側1車線の道で、登坂車線が峠を越えたらあり、向こう側は片側2車線になっていた
峠の手前で運転手はスパートし、後ろを離そうとした
既に80キロぐらいで走っていたが、スパートの影響でガンガンスピードを上げる
前に遅い車がいたのでスピードが落ちて、またくっつかれる
中央線は白線で追い越し車線ではない
運転手は左にウィンカーを上げ、抜きにかかった
対向車線を100キロに近づくスピードで抜いたが、前から対向車が来ていた
運転手は、その対向車が避けると判断した
そしたら本当に避けた
遅い車と対向車線の車が避けた頃には、本当にスピードを落とさず、130キロぐらいまで飛ばし、山を下りきり、信号が赤になる前に交差点を抜けた
そこからは、前に遅い車がいて、今度は再び遅いスピードで走って行った
するとまたその後ろの車がやってきたが、今度は近づかず、コンビニがあったので入って行き
逃げた
いざとなるとキチガイみたいに飛ばして良い
後部座席にいた聡は感じた
見事なレースだった
運転手は、また行きの優しい運転手に戻った
すいませんでしたねえ、お客様、申し訳ないです
と誤った
いや、キレる時は思いっきりやった方がいいですね
勉強になりましたよ
と、言った
綾奈も
運転手さん、冗談きついですよ、とにこやかに言った
運転手は恥ずかしげに頭を掻いた
運転手はペースを落とし、色々説明しながら、インチョンに2人を連れて帰した