『先生、僕は中学へ戻ります。アヤカさんとは 一時の気の誤りでしたが、僕は後悔していません。アヤカさんとは思い出の一夜を過ごしました。これを励みとし、勉学に邁進したいと思います。
先生、アヤカさんの心を繋ぎ留めて置いてください。
タケヒロ』
手紙を読み終え、ゴトー先生は、浜辺で深く溜め息をついた。
そしてショッポを取り出し、深く肺に入れた。
今日はアヤカがタケトシの船で戻ってくる日だ。
間もなく着くと、メールがアヤカからあった。
「迎えに行くか。和谷本さん!」
先生は 和谷本さんの許へ走り、運転をお願いした。
「タケヒロくんに教わりました」
そう言って先生は和谷本さんに笑いかけた。
和谷本さんは 何も言わず頷いた。
「もうすぐだ先生。とびっきりの笑顔で迎えてやってくれ」
車は 丘を下っていた。