1区は出雲市役所前までの8,0キロ
先頭集団は、聡、明治、東洋の選手の3人になっていた
既に5キロを過ぎていた
5キロの通過タイムは14分10秒
いささか他の選手には早かったようだ
明大、東洋大のランナーもきつそうだった
トラックでも聡は27分台の記録を持つランナーではある
そのスピードには付いていけない
明大の選手が遅れ、やがて東洋大の選手も落ちて行った
テレビを第一中継点で見ている綾奈は、男子マネージャーと興奮していて、他の事は目に入らぬ状態
このまま差を広げて、逃げ切って欲しいと願った
青学大は過去一回出雲駅伝では優勝しているので熊谷監督も慣れてはいるだろうけど
あれだけのスピードに付いて行くのは、ちょっと難しい
良い出だしになった
と熊谷監督は聡を1区に起用して良かったと感じていた
2番手の選手とは1分以上の差が出来るかも知れない
青学大の秘密兵器 新開は、あれはかなわねー、着いて行けんと聡の姿を見ていた
新開は今回はマネージャー役に努めていた
ありゃ、酷い
ついて行くのは自殺行為だ
と、秀俊は苦笑いしていた
2区3区がやや力が落ちる選手だから、聡があれだけ逃げてくれれば好都合だ
秀俊は音楽を聴いていた音楽を止めて、聡が更に差を広げてくれるのを願ってモニターを見ている
聡が、2区にタスキを渡す時には、2位東洋大との差は2分差がついていた
聡は区間1位の記録を出し、綾奈と男子マネージャーに抱えられて、レースを終えた