「鹿島くん、3分10秒」
綾奈が車の中から叫ぶ
八ヶ岳寮に着いた日の夕方、長距離ブロックの選手たちは軽めにロードを走っていた
「鹿島、ちょっと早いぞ、少しペースを落とせ」
赤水の運転から熊谷監督が叫ぶ
「ふう、電車乗ってきて宿舎に着いてからすぐの、あの走りには着いていけねえな、三ツ境」
聡と上級生数人は大丈夫なのだが、中津には厳しいらしい
新開は既に遅れている
いきなり走るとは思ってなかった
「秀俊が2区確定だな」
そんな事を考えながら、新開は走っている
夕食はボリュームがある料理だった
八ヶ岳寮には一週間いる予定だ
夜はマッサージを受けて、あとは自由だった
「何かこんな所にいると、何かテンション上がるな。体はピンピンだ」
「そうだよね。でも外に出てるのは私たち2人だけかな
数分後
「ああ…、気持ちいいーっ!イクイク」
あんまり他のとこにいても、やる事は大して違わない、鏡と新開だった
聡たちは数人で、女子を交えてゲームをしていた
サッカーのゲーム
「あーっ!ポルトガル、ぺぺが退場しちまったよ。3対0でまけてんのに」