夏真っ盛り
甲子園球場のその日は好ゲームでわいていた
二回戦、太宰府東対赤城山高校のその試合は、6回まで0-0の投手戦
太宰府東は一回戦からスタートし、2-1でき勝った
今日は全校生徒が応援中
福岡県大会を抜けるのも大変なのに、初出場で甲子園1勝を成し遂げた
「うち、まだヒット1本しか出てないよ」
綾奈はアルプススタンドで聡と隣同士で観戦中
ブラスバンド、チアガール、何とか練習で間に合わせ、一回戦の応援からアルプススタンドで頑張っていた
綾奈が見る前の競技会で聡は何とか28分58秒09と、10000メートルの自己最高記録を出した
とりあえず聡は、ほっとしている
太宰府東の二番バッターがノーアウトから良く粘り、フォアボールを選んだ
「おー。やっと2人目のランナーが出たな」
二番バッターは、チームで新開の.444に次ぐ、.252という打率を福岡県予選で出した
続く三番バッターはバントでランナーを二塁に進める
「彼、三番なのに.182っていう数字残せなかった。良く甲子園出れたなあ」
綾奈が1人ごちる
ワンアウト二塁で、四番の新開に回った
「ここは欲しいな、是非とも1点」
新開は落ち着いていた
自分有利のカウントになり、ピッチャーが投げた直球を跳ね返した
ランナーは三塁を回り、7回表に先制
左中間の間を抜けて行った打球
新開は二塁でガッツポーズをした
1点差のまま8回まで試合は続く
綾奈たちには、新開が大崩れしないように見受けられる
「これで良いかも。飲み物買いに行かない?」
綾奈は聡を連れ、スタンドから出て行った