そして9月22日(金)、ニャドラン当日。

これがテノン(tenong)と呼ばれる蓋つきの籠。
この祭りでの重要アイテムです。
各家庭でテノンひとつを持ち寄るのがノルマ。

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テノンの中には食べ物を入れます。果物、せんべい、そしてご飯…

左側の、茶色い油紙に輪ゴムがしてある包みがご飯です。
フライドチキンか牛肉煮込み、焼きそば、ジャガイモのココナッツ煮込みなどのおかず付き。
このご飯包みが、ひとつのテノンに4人前。
つまりひと家庭で4人分の食事を用意するのがノルマなわけです。

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で、それらを持ち寄って待機。
テノンを運ぶのは女性の役割です。
こちらはうちの地区の待機列。
今年は地区ごとにお揃いの生地でクバヤ(kebaya 伝統衣装のブラウス)を作りました。私のクバヤもこんな色柄です。

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ご先祖のお墓参りを終えた祈祷師たちが先頭になって行列開始。

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昔の兵士に扮した男子たち

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お供え物を持つ娘たち

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テノンは、こうやって頭に乗せて運びます。
こういう、頭に物を乗せて運ぶことを、ジャワ語では『ニュンギ(Nyunggi)』と言います。
柴刈りや草むしりをした後に、いっぱいの柴や草をニュンギしたり、行商人が商品をニュンギしたり…日常でよく見ます。

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重い物でも、肩に担いだりするよりは負担が少なく運べるそうです。
でも慣れてないとバランスが難しい…

インドネシア語にはこのニュンギに相当する単語は無いんだとか。
あーー、日本でもあるよねー、方言にはあるんだけど標準語だと言い表しにくい言葉って…
三河弁だと『しゃびしゃび』とか『ぼっとし』とかね。


ご先祖様人形。
この2人の墓参りをし、彼らの為に祈祷をして歌舞音曲を捧げるのが祭りの主旨なので、
メインゲストですね。

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獅子舞もいるよ!

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これらの後に、やっとテノンをニュンギした行列が続きます。
皆で村の野外劇場へ。


祈祷をするのはガジュマルの木のもとで。
ガジュマルもまた『ミステリアスな木』とされてて、あの世に近い存在なんだとか。
柳の下に幽霊じゃないけど、ガジュマルに幽霊話はやたらある。

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中部ジャワで舞踊といったら定番のKuda Lumping。騎馬戦士の踊り。

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女性バージョンもあるよ。
男装して踊ります。

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そしてこちらはTari Tenongan…テノン舞踊。
テノンを使った踊りです。

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って、いかにも昔から伝わる伝統舞踊みたいに見えますが、これ多分、創作舞踊ですね。
初めて見ました。
伝統舞踊には、こんな風に女性の踊り子が足をガバーっと広げる動きはありません。
(女性バージョンの騎馬戦士の踊りみたいな、男性舞踊を女性がやるやつは別です)

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舞踊の指導は村の伝統芸能の先生がするのですが、その先生作なのかな?

テノンはこのニャドラン祭の重要なキーアイテムなので、それを取り入れた踊りはぴったりだと思います。

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今年も来賓がいっぱい来て、近隣の村々からも見物人盛りだくさん。
最後は、蓋を開けたテノンを道に並べ、見物人たちに持って帰ってもらいます。
早い者勝ちなので奪い合い、一瞬で全て無くなります。
日本の餅投げみたいな光景。

そしたら祭りのメインイベントは終了、解散。
いつも大体正午くらいには終わります。
後はちょいちょい舞踊があったりして、夕方からはワヤンです!

→ もひとつ続く