フレディが得意としているのは
一度に9回の居合いを行う技で
これは相手からすれば正面全方位から
居合いを受ける事となり
逃げ場が無くなる

が、これをやるには瞬時に
抜刀と納刀を繰り返す為に腕に負担がかかり
前進と後退を繰り返す為に足腰に負担がかかる
やり終えた時には自らも相当なダメージを負ってしまうのだ
それだけではなく
この攻撃を行う前から左右への素早いステップによる
分身を行い、それは攻撃終了まで継続する
従来のガーディアンでは耐久性や強度不足で
一度の攻撃しか出来ない

この場合
単に耐久性や強度を上げればよいわけでは無い
強度を上げれば その分 重量も増加するので
耐久性が落ちる
だからブランシェをベースにしたとは言え
肩、腕、腰、脚は全部 新設計
当然 それらの連結部も再設計が必要だ

「一番の問題はこれだけ再設計して
相性が合う頭脳や機関があるか・・・だよね~」

フレディは不安を隠せなかった
本来は陽電子頭脳ありきで機体デザインを考えるものだ
が、今回は行う技から機体デザインをしている

「学校にある実習用の頭脳と
工房にある試験用の頭脳はダメだったよ」

シャーリーはやっぱり・・・って顔をしている

ゲームでは自らの攻撃による自らへのダメージは
数値が低くなるから乗りきれるが
実際はゲームのようには上手くいかない
それはシャーリーの精密射撃にも言える事で
実際には98パーセント命中率なんて不可能で
75パーセントも行けば御の字である
まぁ それでも十分に高い数値で
通常なら50パーセント以下だ

だいたいゲームには
本物の騎士ライセンスはいらない
フレディは養父が養父なだけに騎士ライセンスを持っている
まぁ 本人には騎士になるつもりは無いのだが・・・
シャーリーが持っているかどうかをフレディは訊いた事も無く
持っていないと思っていた

ちなみにフレディの養父である
アルベルト・ドライゼは剣匠と呼ばれる
有名な騎士で剣術の神様と言われる程の
剣の達人である
ただ 最近は大きな仕事は避けて
小さい仕事ばかりしているそうだ
本来ならどこか大国の指南役をやっていても
おかしくは無い人物なのだが・・・
普段は剣術道場で師範をやっている
これは世界的に有名なサッカー選手が
子供サッカークラブのコーチをやっているようなものだ
凄過ぎて解らなかったり、
本人じゃ無いと疑う人も多いくらいだった