『チャーリー』観ました | むくむくのブログ

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好きな映画・海外ドラマを時々つぶやきます。一度はまったら何度も同じ話してます。流行りものには疎い。嵐さん松本潤さんが好きです。

https://news.yahoo.co.jp/articles/00c58d2e462b4456dc914cd59ba313d1dfc0bf7b

以前【芸達者ぶりに魅了される!ロバート・ダウニーjr.映画5選】という記事が上がってました。
『チャーリー』はその1本です。
写真も同記事からお借りしました。



再観賞です。以前は途中で疲れてしまいました…

チャーリー・チャップリンの伝記映画。
スイスに隠居するチャップリンが記者に自分の半生を語る形で話は進みます。劇中に登場する映画はチャップリン映画を使ってます。

貧困の中母と引き離された幼年期、母が精神を病み病院に入れざるを得なくなった少年期、劇場でコメディアンとして評判を上げる青年期。
そして無声映画の神さまセネットに見出だされて週150ドルで映画出演。経験を積むうち自分の考えを自分で演出したいと監督業へ。

やがてトーキーの波がやって来る。チャップリンは「浮浪者が声を出したら客は興ざめだ!」と断固許否をしていたが、ナチスが台頭しヒトラーを賛美する世論が強くなり、アメリカ政府は社会主義者に目を光らせる世情になっていく中「映画で語るのは今だ」と、『独裁者』をトーキー映画として出す。
フーバー長官に目をつけられたチャップリン旅行中にアメリカから追放される。




🎬

チャップリンの伝記を詳しく知っている人は物足りなく思う可能性がある。いいことしか言ってないようにも見える。そして喜劇王チャップリンしか知らない者には単調な映画だと思う。
女性問題を抱え、結婚を繰り返し(その度に奥さんが若くなる)、隠し子で訴えられる。
反面、映画にはとことん厳しく一切の妥協はない。
笑いが一切ない人生だし女性に目がないのと映画への態度のギャップは偉人像には遠いから戸惑う。
最初に見た私がこのクチでした。
『Xファイル』にはまってて、ドゥカプニーさんが出てる?ときいてそちらが目当てでした。
ダウニーさんも好きだったけど、しんどかったです。

改めて今回、疲れもしんどさもなかったけど揺さぶられるようなものも、正直あったとは言いにくいです。
ただ、ダウニーさんはなりきりが盛んに評価されていますが、悲哀を背負った複雑な人物像こそが注目されるべきだと思います。

フーバーは完全に悪役ですが彼のチャーリーを見ていると足元をすくわれる甘さも見えます。
晩年の彼の記者に向けたセリフ「何も変えられなかった。笑わせただけだ」。
その笑いは100年経った現在でも愛されています。

マック・セネットも興業主もトーキーの波にのまれて消えて行きました。
チャップリン本人が言うような運の良し悪しもあったかも知れません。
でも映画のラストの笑いと大きな拍手は確かに時代を越えています。
満場の爆笑に感動しました。



ダウニーさんのこのアルバムにチャップリンのカバー曲「スマイル」が入ってます。ジャズ調で絞り出すようなささやき声は原曲とイメージ違いますが、とても味わい深くて好きです。

どんなに胸が痛もうとも笑顔だけは忘れないで…
(訳:卯童直)※敬称略

笑顔でいられる人間でいたいです。



チャップリンと母のエピソードでレスリー・チャンを思い出しました。



テイラー王の父と母の間に産まれたレスリーは経済的には恵まれていたが、常に他の女性を伴って行動する父に母は神経をすり減らしていてレスリーにかまう余裕がなかったらしい。
レスリーは成功してから海辺の素敵なマンションに母と暮らし始めたけど、母は畏縮するばかりで心の距離は埋まらないままだったそうです。

チャップリンも成功して母を引き取り海辺に家をプレゼントするけど、母の心は壊れたままだった…