「藤堂少佐(三佐)。神崎大尉(一慰)。よろしいかしら?」
「大佐。ええ。はい。大丈夫です。」
「古代さんは元気に過ごしてるのかしら?」
「ええ。彼なら元気に過ごしております。」
「部署が違うので、時々しか会わないですが。」
「それは良かった。ガトランティス戦役では共闘する機会もなく、お会いする事も無かったので。」
「それから、ちょっと古代さんには姉さん的な彼女、下縁眼鏡の彼女も元気かしら?」
「……?」
「あっ。薫ね。」
「……ああ。彼女は古代ニ佐(中佐)の彼女ではなく、動向者に過ぎません。」
「彼女は別に居ます。」
「……あら。私とした事が。」
笑い声が拡がった。
古代さんとは、古代さんらがヤマトでイスカンダルから帰路の途中で、ガトランティスと遭遇し、我々の残党部隊と接触した時にお会いしまして、その時に共闘した以来だったもので。
ネレディアは懐かしい話を早紀と恵に聞かせた。
あれは・・・
ー西暦2199年9月ー
ー大マゼラン銀河・小マゼラン銀河:銀河間空間ー
「うむ。間違いなくドメル機動部隊:第二航宙母艦ランベアの救難シグナルなんだな!?」
「ハイ。間違いありません。」
「何度も確認しました。」
ガミラス帝星:警務隊第八警務艦隊旗艦:ミランガル。
そのミランガルは現在、地球=ヤマトとの停戦した事を前線を回り、徹底させる任務に就いていた。
私は、ゲルバデス級航宙戦闘母艦ミランガル艦:艦長ネレディア・リッケ。
第八警警務艦隊:艦隊司令を兼任する。
年齢は27歳。※当時
階級は大佐。
2か月前・・・
大マゼラン銀河:七色星団宙域
この宙域で、我がガミラス帝星切っての猛将ドメル上級大将率いる対ヤマト機動艦隊がヤマトと壮絶な戦闘を繰り広げていた。
激戦の末、辛うじてヤマト艦長:沖田の巧妙な策により、ヤマトの勝利に幕を閉じた。
だが、ドメル機動艦隊は敗北はしたものの、艦隊は全滅した訳ではなかった。
損傷はしたものの、七色星団海域に広がる雲海に姿を消したドメル機動艦隊:第二航宙母艦ランベアはヤマトへの反撃のチャンスを伺いながら、体制を立て直す為、当該戦闘宙域を離脱した。
だが、機関の故障により、暫く宇宙の海を彷徨う事になってしまう。
私は、その宇宙の海を彷徨う、ドメル機動艦隊:第二航宙母艦ランベアを捜索する事にした。
「なにッ!!星籍不明艦だと?」
「蛮族ではないのだな?」
《暗黒星団帝国:マゼラン銀河方面軍:第272奇襲連隊:特務小隊:小隊長マーベラス》
《暗黒星団帝国:大元帥サーダ》
「マーベラス小隊長。まだ、静謐の星は見つからんのか?」
「ハッ。申しわけありません。」
「サーダ大元帥閣下。情報が少なく捜索が難航しておりまして。」
「そうか。聖総統は私ほど気が長くはないぞ。」
「ハハッ。必ずや早急に見つけ出します!」
「吉報を待っているぞ。」
◆◇
「マーベラス隊長!斥候より、入電!」
「ワレ。ガミラスの艦(ふね)をキャッチ!」
「ガミラスの艦か。よし!」
「第一級戦闘配置!!だが、まだ、攻撃はするな!!」
「此方が気がつかないフリをせよ!」
「ラジャー!!」
◆◇
「オペレーター!星籍不明の艦(ふね)の同行を逐一報告せよ!!」
「ザー・ベルク!」
此方のレーダーに捉えていると云う事は、相手(むこう)も捉えていると考えるのが妥当だな。
私はそう判断した。
しかし、私には腑に落ちない。
相手は転進するでもなく、攻撃を仕掛けて来る様子も感じない。
何らかの原因でレーダーが故障した!?だとしたら4隻揃ってレーダーが故障した事になる。
いくらなんでも、それはあり得ない。
私はそう思い、このまま座礁したと思われるランベアを捜索する事を一時的に中止した。
このままランベアを捜索し、ランベアを発見した場合、折角ランベアの生存者を救出も出来なくなる可能性が高い、みすみす相手に獲物を提供するようなもの。
そこで私は艦艇の数から云って私の第八警務艦隊の数の方が勝っている事から、この星籍不明艦隊を沈める事にした。
「通信オペレーター!全艦に通達!」
「全艦!第一級戦闘配置!」
「同時に零(ゼロ)距離、上方1000メートルにゲシュタム(ワープ)・アウト位置を入力せよ!」
「私の合図で全艦ゲシュタム・ジャンプせよ!」
ネレディア率いる第八警務艦隊は、ネレディア大佐の号令と共に、零距離で上方1000メートルの位置へワープした。
私はジャンプ・アウトと同時に全艦を90度、艦首を下げる格好で急降下(ダイブ)させ、砲雷撃による一斉射撃を開始した。
「ガミラス艦隊!!直上!!」
暗黒星団帝国:マーベラス艦ブリッジオペレーターの慌ただしい口調で告げられた。
《暗黒星団帝国:主力強襲駆逐艦:艦長トリス・クーリー》
「トリス艦長!本隊がガミラス艦隊と交戦に入ったとのことです!!」
「何ッ!!直ちに隊へ戻る!艦、回頭180度!全速前進!!」
「砲雷オペレーター!重核子ミサイルスタンバイ!!」
「ガミラス艦との距離8000に縮みます!!」
「重核子ミサイル発射ーーーッ!!」
「全弾命中!!」
「ガミラス艦隊誘爆を誘い、轟沈!!」
《重核子ミサイル》
中間子質量を破壊する一方、外傷を与えずに全生物の脳細胞を一挙に死滅させる。
起爆すると、内部に封入された重核子へ中性子ビームが照射され、高エネルギーのプラズマ状態となる。
このプラズマ化された重核子を超高エネルギー状態で炉内に閉じ込め、二重らせん構造の定常空間を維持すると、周囲の空間に歪みが発生してベータ変調された重力波が発生する。
これを浴びた生物は細胞核内部のDNAが異常活性され、自己崩壊してしまう。
「なっ!!何が起きている!!」
「もう一隻、隠れていたとは!!」
「しかし、あの程度のミサイルで轟沈する程、我々の艦(ふね)は脆くないはず!!」
私は見た目に騙されているのか?
ミサイルの直撃を喰らったケルカピア級やクリピテラ級ならあり得ん事もないが、少なくともデストリア級クラスなら持ちこたえられるはず。
「何がいったい……。」
艦隊の1/3をこのミサイル攻撃で失った。
悔やんでばかりはいられない。
艦隊司令である以上、勝利を目指し、次の攻撃に備えなければならない。
兵を失うも生かすも、私に掛かっている。
もうこれ以上、艦を損耗する訳に行かない。
私は艦隊幅を大きく取らせた。
味方の誘爆に巻き込まさせないである。
「ネレディア大佐!ミサイル第二波接近!!」
「全艦!後進いっぱい!!」
「主砲!一斉射撃てぃーーーッ!!」
同時に私は、もう一隻の戦闘母艦ニルバレス艦に艦載機の発艦を要請した。
前代未聞の作戦である。
後進いっぱいで艦載機を発艦させる事など、今までの戦史の中でもこの一戦だけだろう。
ニルバレスの戦闘甲板は飛行艦甲板へと変わり、艦載機である格闘型戦闘攻撃機ツヴァルケ隊を発艦させた。
「ツヴァルケ隊へ!全ミサイルを撃ち落とせ!」
ガミラスグリーンに施されたツヴァルケ32機。
「ネレディア大佐。わたくしめが、全て撃ち落として見せますよ。」
「頼もしいがラー・ヴィア少佐。無茶はするなよ。」
「ザー・ベルク!!」
「全機、私に続け!!」
ラー・ヴィア少佐率いるツヴァルケ隊の遊撃と、後進による重核子ミサイルの射程距離ギリギリで交わし、砲撃にてこれを撃ち落とす。
「よし!敵はあと一隻だ!!」
「火力を集中させよ!!」
◆◇
「クッ!」
「最早これまでか……。」
「機関いっぱい!!あの紅い旗艦へ突っ込め!!」
グングンと加速する暗黒星団帝国強襲駆逐艦。
ミランガルとの距離が縮まる。
ミランガルから撃ち放たれる光弾の嵐。
だが、怯む事なく突っ込んで来る。
「お前ごときにミランガルは殺らせわせんッ!!」
「最後の一発だ!!冥土の土産に持ってゆけッ!!」
ラー・ヴィア少佐のツヴァルケがミランガルと強襲駆逐艦の間に割って入る。
強襲駆逐艦から撃ち放たれる近接用量子光弾機関銃の弾幕を縦横矛盾にすり抜け、対艦魚雷を撃ち放った。
衝突まで間一髪のところで危機を脱出したミランガル。
ネレディアは艦隊を纏め、ランベア捜索を再開した。
宇宙の難所の一つ「魔女の海峡」と呼ばれる宙域に座礁したランベアを発見したした。
「さて、一筋縄では行きそうにないかな。」
◆◇
「そんな中、ヤマトと遭遇したわ。」
「フォムトと古代さん。なんとく馬が合う。そんな感じだったわ。」
「七色星団会戦での話に盛り上がっていたわ。」
「凄まじい戦闘だったと伺っています。」
ー天の川銀河・大マゼラン銀河 銀河間空間七色星団宙域(海峡)ー
西暦2199年8月を半ば過ぎた頃、宇宙戦艦ヤマトは、ガミラスとの決戦とも云える戦闘に突入した_。
「コスモレーダーが…コスモレーダーが全く使い物にならない…。」
「…艦長!レーダー反応消失!」
森船務長の交代要員、西条が心細く成る中、その気持ちを押し殺し、艦長沖田へ報告した。
「うむ。」
「有視界航法へ切り替えよ!」
「対空戦闘を"厳"とせよ!」
「古代戦術長。右舷、左舷の監視を強化せよ!」
「了解。対空戦闘を"厳"とし、右舷、左舷の監視を強化します。」
「戦術長古代より通達!戦術科甲板員は右舷、左舷に別れ監視にあたれ!」
レーダーが使えないという極めて厳しい状況の中、不馴れな有視界による戦闘を余儀なくされたヤマトのクルーたちは、何処と無くぎこちなく、ワサワサとしていた。
そんな中、ガミラス急降下爆撃機スヌーカー隊がヤマト上空にワープアウト、第一波攻撃を仕掛ける。
激しい揺れと爆発音がヤマトを包み込む。
怒号と悲鳴が混ざり合う。
艦橋組は艦橋組で、度肝を抜かれた感じでうろたえていた。
「うろたえるなッ!」
ヤマト第一艦橋の後部、一段高めに設置された艦長席に腰を下し、眼光を鋭く沖田は激を飛ばした。
「古代、各部署の状況確認を急がせろ!」
「相原。"隼"からの連絡はまだか?」
※隼=コスモファルコン
「はい。まだ、ありません!」
沖田は胸の前で腕を組、目を閉じた。
「隼とすれ違う事もなく、ヤマト上空にそれも直上に接近……。」
「どうやったら……。」
「古代!後方展望室にも監視を配置せよ!」
沖田の命令と入れ替わるように、今度はヤマト上空右舷に姿を現したスヌーカー隊の第二波攻撃を喰らう。
「…何処から一体?」
「敵は、ガミラスは大艦隊を展開してるのか?」
ヤマトの舵を握る島航海長が、呟くように口を開いた。
「バーガー少佐隊が発艦する!」
「甲板クルー及び誘導クルーは発艦体制に入れ!」
「繰り返す!第三波攻撃隊バーガー少佐隊が発艦する!甲板クルー及び誘導クルーは、発艦体制は入れ!」
バーガーは甲板クルーに右手で合図を送り、発艦した。
「バーガー少佐!ご武運を!」
「おお。任しておけ!」
「よし。攻撃は成功した!」
「全機、帰投せよ!ヤマトにはまだ沈まれちゃ困るからな。」
「此方バーガーだ!ランベア聴こえてるか?ヤマトの耳を奪う事に成功した!これより、帰投する!」
第三波攻撃を成功させたバーガー少佐隊は、母艦ランベアに帰投する。
帰投したバーガー少佐隊と入れ替わるように今度は、第三空母シュデルクから発艦したカリス・クライツェ少佐率いるガミラス雷撃機ドルシーラ隊による攻撃が開始された。
艦隊指揮官ドメル上級大将の立案した物質転送攻撃と地の利を生かした暗黒ガス雲海を味方に着けた波状攻撃作戦は、勝利まであと一歩のどころまで来ていた。
だが、"死中に活を見出だす"という信念をぶれる事なく貫く沖田に、勝利の女神は微笑んだのだった。
「此方、加藤隼航空隊隊長の加藤だ!」
「敵ガミラス艦隊を目視、確認した!」
「座標を送る!砲撃戦に備えられたし!」
「繰り返す!敵ガミラス艦隊を目視、確認した!」
「座標を送る!砲撃戦に備えられたし!」
◆◇
「その話をきっかけに彼は互いを憎む事を止めたの。」
◆◇
「今日は、あのヤマトと戦いから五年か、そして、メリア。お前の命日で七回忌だな。」
フォムトはメモリーホログラムを眺めながら口を開いた。
七色星団会戦で奇跡的に生還したあの日は、元恋人メリアの命日だった_。
ー六年前-※当時
小マゼラン銀河外縁部ゴルニ宙域ー
「野郎!チョロチョロと!」
「ん!?」
「どうした?」
「バーガー大尉!見て下さい!」
「奴ら蛮族がまた、この宙域に出没です!」
「隣ん家の芝は青く見えるかんな。」
「何せ。この八つに割れた惑星(ほし)の浮遊する大陸には、伝説と云われた"アケーリアスの遺跡"が存在するからな。」
「奴らも必死なのさ。」
「アケーリアスの遺跡を奪って来い!とケツでも蹴られてんだろう。」
鋭い眼差しで監視モニターを覗くフォムト・バーガー。
だが、今、攻め込んで来る蛮族=ガトランティスは今までと違い、数段も上の輩だと感じていた。
「おう。お前ら!ウェルカムパーティーはじめんぞ!」
「バーガー突撃小隊!斬り込めッ!!
血気盛んなバーガー突撃小隊だが、先行する一番、二番艦が立て続けに轟沈させられたのだ。
「あの重武装の大型戦艦が、奴らの旗艦か…」
「ちーとばかし厄介かも知れんな。」
フォムトは呟くように云った。
前衛を任せていた一番、二番艦、デストリア級航宙重巡洋艦の突然の轟沈に困惑するフォムトは、自身が受け持つ小隊を散開させた。
「ぜ、全艦、散らばれッ!!」
「なっ!?何なんだ?」
「火線が空間を跳躍しやがった……。」
「まさか……。」
奴ら蛮族=ガトランティスに俺たちのガミラスの技術が流失している…のか……。
「ふと。」そんな事がフォムトの頭の中を過った。
自軍の補給艦ヴァカラが本国から到着する日、よりによってガトランティスが新鋭艦を投入して来るとは、予想外だった……。
いや、予想は出来たが、しなかったが正解なのだろう。
なんだかんだと今日まで、押し寄せるガトランティス艦隊を退けて来た事もあり、"中だるみ"があったのは事実だった。
フォムトは思う。
「よりによってメリアが、この補給艦に乗艦し、同じ部隊に配属される日に、強襲を喰らうとはな。」と。
そこでフォムトは少しばかり大げさにガトランティスの"新兵器"に小隊が壊滅状態に有ると、大隊長に告げたのだ。
フォムトの中には、そう告げる事で、補給部隊の派遣と合わせて、援軍の派遣と考えていたからだ。
だが、大隊長は補給さえ有れば乗りきれると判断、援軍の前に補給部隊であるヴァカラ補給艦のみを差し向けたのだった。
だが、ヴァカラ補給艦は、この戦場に派遣されたガトランティス艦隊の別動隊の甲殻攻撃機デスバテーター隊に攻撃を受けエンジンが損傷、停船を余儀なくされてしまう。
「フォムトが困っていると云うのに…。」
同ヴァカラに乗艦する補給部隊に配属されたばかりのメリア・リッケ少尉が「ボソッ」と呟いた。
その少尉は現在、最前線で戦闘指揮を取るフォムト・バーガー大尉の恋人でもある。
私情は禁物と、呟く程度に押さえたものだった。
本心は艦長や乗艦するクルーたちに大声で告げたかった。
「メーデー!!メーデー!!」
「此方、補給艦ヴァカラ!」
「大隊本部、聴こえてるか?」
「近傍空間には味方は居ないか?」
「メーデー!!メーデー!!」
ヴァカラ艦長ラルク中佐は自らが通信機に向かい緊急救援を呼び掛けていた。
だが、妨害電波を張り巡らされていた為、通信の殆どは、"通信障害エラー"とされた。
時折、部分的に傍受出来る程度であった。
「…ら、……#@¥&¢㎜$¥℃………メーデー!!……」
激闘の中、ノイズ混じりのコールを奇跡的と云うか、偶然に傍受したフォムト・バーガー。
嫌な予感が頭の中を過る。
「……今、確かメーデーと云ってな。」
「まさか……!!」
目を見開くフォムトは単艦、後方へと下がってしまう。
「閣下。戦局は相当、酷い状況下のようです!」
白銀の衣を纏うゲルバデス級改良型ドメラーズⅠ世、艦長のヴェム・ハイデルンが告げた。
「ん!?」
「……これは、戦線を離脱する艦(ふね)を確認!」
「閣下!小隊隊長の艦(ふね)戦線を離脱して行きます!」
ハイデルンの報告に被せるようにメインレーダー士が、告げて来る。
「小隊隊長の艦(ふね)だけか?」
「ハッ。そのようです!」
「離脱前に何やら無線を交わしていたようですが、ジャミングが激しく読み取れませんでしたが。」
「うむ。」
「ハイデルン。後退した小隊隊長艦と回線を繋でくれ。」
同ドメラーズⅠ世に座乗するエルク・ドメル中将が命じた。
「此方、突撃小隊のバーガーだ!」
「援軍か?」
「丁度いい!味方の補給艦ヴァカラが蛮族の餌食に成っている!」
「奴らの別同隊の艦載機群だ!20機以上は……」
「¢℃¥$……@#¥℃¢…………」
「ダメです!通信途絶!」
「なんて奴だ。一方的に喋りおって。」
「どうしますか。閣下?」
「うむ。」
「ハイデルン。此方から全艦載機を派遣してやれ。」
「我がドメラーズは、あのガトランティスの旗艦の鼻っ面にジャンプせよ。」
落ち着いた口調で指示を飛ばすエルク・ドメル。
「閣下!それでは我がドメラーズの被害も甚大な被害が予想されます!」
「ハイデルン。私の異名を忘れたかね?」
「…いえ。」
「そう云う事だ。」
「ザーベルク!」
フォムトは自身の艦をヴァカラに横付けすると、艦を砲台化し、自らは生存者救出に乗り込んだ。
「…メリア!今、助けてやるからな!」
「ブリッジ、聴こえてるか!第49区画の隔壁を開けろ!!」
「まだ、生存者が居るんだよ!開けろ!!」
「…フォムト。助けて………」
「熱いよ……熱いよフォムト…」
「…フォム……ト」
「だから開けろってばッ!!!」
「メリア!」
「メリアアアアアアーーーッ!!」
その後、隣の区画が爆発、フォムトは爆風に飛ばされ気を失った……。
援軍として駆け付けたドメラーズ艦載機隊の活躍でナスカ級母艦は轟沈、帰る場所を失った数機のデスバテーターが放った第5波対艦魚雷一斉射が補給用弾薬庫に命中爆発し、ヴァカラは轟沈した。
全クルー140名中、生存者は僅か3名だった_。
「ドメラーズは一歩も退かん!」
「これだけ至近距離なら自慢の空間跳躍兵器は、使えんだろ!」
「全砲搭は左90度、旋回、一斉射撃、てぇーーーッ!!」
「残存ガトランティス艦、反転!」
「離脱して行きます!!」
ーバレラス中央霊園ー
ネレディア・リッケと再開するフォムト。
「フォムトも来てたんだ。」
「まぁな。メリアの命日だかんな。」
「そうそう。フォムト。貴方に渡す物があったんだ。」
「地球やヤマトとの停戦後、渡そと思ってたんだけど、シャンブロウの騒動や本格的に動き出したガトランティス戦や、なんだかんだで渡しそびれて、今になっちたんだけどね。」
そう云うとメリアの姉ネレディアは、妹メリアから預かっていたメッセージカプセルをフォムトに手渡した。
手渡されたメリアの形見(遺産)には、ウェディング姿のメリアがホログラムされていた。
「フォムト。私、待ちくたびれたわ。」
「だから、軍を退役して、お嫁に行く事にしたの。」
「私、フォムトのお嫁さんに成るわ。」
「俺、これでも亭主関白だぜ。」
◆◇
「こんな身内話も出来るくらいに、打ち解けてたわ。」
「それで無事に彼女たちを救出したら、少しガミラスに預けてみない?」
「交換留学生として。」
「良いわね。ただ決定権は保護者よ。」
「本人たちの意志が優先されるけど、今回は厳しいかも。」
「一応、前向きに検討って事で。」
そんな会話の最中、航跡が解明出来たと報告を受け、進路はそれになぞられた。
つづく。
-あとがき-
この物語りは私設定が混ざった≪宇宙戦艦ヤマトリメイクシリーズ≫の二次創作です。
使用している画像はイメージです。
















