フィッシャーマンと名乗りつつ、釣りをしないのか!と言う声もありましょうね。
実は脚の古傷を傷めましてね。
あまり行かないようにしておりました。
しかしながら、年末に作る甘露煮と雑煮のダシに使う焼き干しのハゼを調達すべく、封印していた竿を出しました。
やはりハゼは江戸前に限ります。
水産庁の定義では三浦の剣崎から房総の洲崎までを直線で結んだラインより東京湾側は江戸前なんだとか。
その定義に則り、毎年焼き干しのハゼの調達は金沢八景にて行っています。
暑さ寒さも彼岸まで…
この時期のハゼは型も良くなります。
そして、水温の低下と共に食いも渋くなり、比較的暖かい深場へと移動して行きます。
陸っぱりからちょいと投げて釣れるのはあと少しだけ。
そして、あまりに大きくなってくれても甘露煮には不向き。
今がちょうど良い時期であります。
ハゼは上げ潮と一緒に浅瀬にやって来ます。
そして餌を食べるわけですが、天気は良くても水温がイマイチ。
やはり食いが渋めでした。
大きくなりかけたハゼは特に食いも渋く、海底をこつくように誘いながら釣りました。
結局、粘りに粘って91尾を釣りました。
捌き中の写真なんで一部だけね(笑)
甘露煮としては大きめかな?と言う上出来なサイズが集まり、これで食材に事欠かすことはないな…と安堵致しました。
中にはこんなサイズのやつまで(笑)
恐ろしい…
祖父が世の中で最も愛した食べ物…
それはハゼの天ぷらでした。
生前はいつも私を急かして釣りに行かせ、新鮮なハゼの天ぷらに舌鼓をうっていました。
甘露煮用に釣りましたが、祖父へのお供えとして5尾だけ天ぷらに仕立てました。
ハゼは甘露煮にするには一度焼いて、干さねばなりません。
鱗や腑などを処理し、綺麗に掃除をします。
淡白でとても美味しい魚なんですよ。
そして、こうして綺麗にしたハゼを焦げないように一尾ずつ綺麗に焼いて、天日干しを数日間に渡り行いじっくりと乾燥させるわけです。
そうして乾燥させたのがこちら。
ハゼの焼き干しの出来上がりです。
釣って捌いて焼いて干して…
手間は掛かりますが、これも後々の楽しみのため。
これを年末に甘露煮として仕上げて行きます。
そしてお正月には食卓へ。
ハゼの甘露煮は江戸の庶民の味。
今秋もこうして東京湾の恵みを頂戴出来ることに感謝です。