$江坂健の「編集の行方」-benetton

先週スタートしたベネトンのケータイサイトに関わらせていただいた。http://www.benetton.jp/news/2010/02/twitter.html
プログラマーの木香英朗さんと私たち(阪急コミュニケーションズ)で、ケータイサイトにTwitter機能を組み込むK-Twi というASPサービスを開発したものがベース。こちらの詳細は、後日、社のHPなどでお知らせしたい。
ケータイサイトにTwitter機能を組み込むこのサービスの長所を、こちらで考えていることをまとめておきたい。

1、ASPサービスなので、簡単に携帯サイトがつくれる。
2、Twitterクライアントとしても操作性がいい。
3、Twitterクライアントなので、1日に何度もアクセスされるサイトになる。
4、サイトのコンテンツをTwitterベースで構築できる。

さらに、Twitterアカウントでユーザー管理をすれば、
5、メルマガの代替としても使える。
6、個人情報管理も比較的容易になる。
7、コミュニティの形成もできる。

また、ウェブサービス提供サイドから見ると、
製品やサービスのPR以外、なかなかマネタイズしにくいTwitter利用法として、ひとつのマネタイズのモデルを提案できたかと思う。
Sousekiさんのブログで「これぞまさしく『使ってもらえる広告』(ブランデッド・ユーティリティ)」として、評価していただいた。 http://souseki.search4search.net/2010/02/25/benetton-twitter/ 


今回、普段は主にウェブマガジンを運営編集している私(私たち)が、どうしてこうしたサービスを提供しているのか、とも問われたことがあったけれど、そのあたりはこんなことを考えている。

これまで多くのアテンションをひきつけるメディアは、媒体社が発行するものが担っていたわけだけれど、今後、その役割の一部は、企業が作るサイト、そして個人の発信する情報やその集積が、これまでのメディアの代替になっていくはず。そして、メディア制作業のある部分は、徐々に解体、分解されて、企業が発信する情報を最適な形でアウトプットする作業をフォローする役回りになるはず。

その意味で、個人的な"編集者像”は、かつてのイメージからはすでに解体していて、書籍や雑誌を作ったり、その延長にある電子書籍やウェブマガジンを作るのはもちろん、さらにウェブサービスの設計・開発、企業の情報発信の最適化、イベントのプランニング・・まで、すべて"編集者"の作業だと考えている。情報の編集とビジネスの編集の両方が必要ということか。今回のASPサービスK-Twi も、その一環にある。

個人的には、ここまで"編集者”の領域を広く考えているのだが、一般的なイメージとはまだ隔たりが大きいこともあって、去年から、自分のことを”編集者”と名乗ることは止めている。"必要とされる場所を見つけて、情報を集めて編む"ということでは、20年前の雑誌編集をしていた頃とまったく発想のベースは変わっていないけれども。