"Microsoft geek blogger "として有名だったRobert Scobleが、Microsoftからポッドキャスト・ベンチャーのPodtech.netに転職し、ビデオブログ「Scoble Show」を開始したことは、先日、もうひとつのブログでエントリーした。このビデオブログは、クオリティーも高く、ビデオブログ新時代の到来を感じさせたのだが、自身のブログ「Scobleizer」で、その採算性の悪い現状について、内情を語っている。以下、こんな感じ。

scoble

「ブログ広告ネットワーク「Federated Media」を運営しているジョン・バッテル(*『ザ・サーチ』の著者)に会い、インターネットのコンテンツ・ビジネスについて話し合った。多くのブロガーが、CPM10ドルから40ドルの広告収入を得ている。1000人アクセスする度に、10ドルほど支払われる、ということ。多くのアクセスを得ているブロガーにはこれはかなりの収入だ。

 だが、ビデオの場合は事情が異なる。今、ひとつのエントリーにつき200MBぐらいのデータをアップしているが、回線帯域を確保するために1000ダウンロードにつき28ドル支払っている。ということは、28ドル支払って広告料10ドルを得る、ということになる。ビデオがいい商売だって言ったのは誰だ?

 他にも制作費が必要。撮影のため1時間90ドル、編集のために120ドル、計210ドルは必要。さらに、ヴビデオカメラとMacも・・。

 しかし、ビデオブログのネットワークをつくるためのチャレンジをするつもりだ。もし、グーグルや他の広告主が、ビデオ広告収入をコストよりも高くなるようにしてくれるようなら、私たちはもっと、面白いビデオを見ることができるようんなるだろう。もしそうでなけらば、カスのようなものばかり見ることになる。」


 ビデオブログに進出した有名ブロガーの切実な悩み……。
 確かに、ビデオのほうが手間もコストもかかるし、それをテキストベースのブログと同じPV換算で広告料金を設定されては割に合わない、と考えるのもわかる。現状を変えるには、やはり、ビデオならではの特徴を持った広告配信システムや新しい広告評価の形を考案する必要があるんだろう。そうなると、先のエントリーの「GoogleがYouTubeを買った本当の理由」とテーマもやや重なるところ。

 それにしても、これからビデオブログの広告料金が上がることになったとしても、なにかあやふやで、危ういものを基盤にしていることは確かだ。今、通常のブログがCPM10ドルから40ドルの広告収入を得ているというのも、適正なのかバブルなのかもわからない。個人的には、ややバブルなんじゃないか、と思う。(日本はコストのかかるニュースサイトでもとんでもなく安いし・・。)そのあたりはそのメディアの広告市場の成熟とともに、徐々に調整されていくところなのだが、ネットでは調整される前に新しい形のメディア、新しい広告システムが生まれる。
 このあたり、新しいメディアが関わる者の醍醐味でもあり、ひじょうに判断の難しいところだ。