先輩との付き合い出してから、ペアのネックレスが欲しかった私。

けれども、先輩は相変わらずの貧乏で私のヒモ状態だった。

 

先輩とは結婚すると勝手に決めていたので、将来は同じお財布になることを考えれば、出せる者が出したらいいじゃんと思っていた。

毎日お金を渡していたのも、感覚を麻痺させていたのかもしれない。

 

ネックレスをペアで付けたい旨を伝え、色々なお店を見に行くことにした。

ブルガリやカルティエは高すぎて手が出せなかった記憶がある。

私たちはティファニーのお店に入り、お互いに気に入ったペアのネックレスを見つけた。

価格も2つで5万くらいだったと思う。

その場で購入してペアでつけた。

 

私は先輩と付き合っている事が自慢だった。

前の砂川はお金はそれなりにあったが、顔はお世辞でもカッコよくない。

むしろどうがんばっても不細工。

トップにしても横になって歩けば愛人とパパ感丸出しだ。

先輩は顔はジャニーズ、身長も170以上あり、150ちょっとの私と並べば20センチ越えの差。

モデル体型ですが、力仕事をしているので腕の筋肉は逞しく、ちまたでいう細マッチョ。

そんな彼の横に居るだけで、『私の彼、かっこいいでしょ』と自慢して歩きたくなった。

 

上辺ばかり見て、中身にフタをしていたが、そんな事は当時全く気付かなかった。

ペアのネックレスを欲しがった理由も、マーキング的な理由だったんだな、と今は思う。

24時間お互いにネックレスを身に着け、彼の首元に光るものが目に入った時に自分にも同じものが付いている事が嬉しくて仕方なかった。

彼にはアクセサリーを買い与えていたが、彼をアクセサリーにしていたのは私だった。