こんにちは。
Co-leadersのSHIHOです。
GWいかがお過ごしですか?
私は特別なことは特にありません。
どこか遠くにいったり、そこまで大きなイベントもありません。
読みたかった本を読んだり、見たかった映画をみたり、
美味しいものを食べたり、ずっと手をつけられなかったあんなことををしたりする時間に
しようと思っています。
今日はこんな本のご紹介。
1821年になくなったジョン・キーツ(ロンドン生まれ、ローマ没26年の生涯)
詩人であり、医者(ネガティブ・ケイパビリティの概念を発見)
170年後、20世紀になって、
フィルフレッド・R・ビオン(精神科医、精神分析医)
(1897年インド・パンジャブ地方で生まれ)によって新たに言及。
精神分析の分野で、ネガティブ・ケイパビリティは必須の要素だと唱えた。
そしてこの本の著者は帚木蓬生は精神科医であり、小説家。
なんという歴史が紡がれているのでしょう。
すべてのモノに因果をつけて、問題解決という形で治療をするのが医療。
ただ、すべての事が、答えのでる問題ばかりではない。
答えのでない問題に対峙する時に、必要なのが、ネガティブ・ケイパビリティなのです。
医師でありながら、対極である、詩作や小説・アートに触れるとはどういうことなのか。
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私がこの「ネガティブ・ケイパビリティ」という言葉に出会う少し前、
コーチングの世界に反応する多くの方々をみてきました。
コーチングや傾聴についての話をするのは、
非常に説明がわかりにくいものなのです。
例えば、傾聴についてお伝えする時、
・聴くとは、基本的には自分ではなく相手に焦点を当て続けることです
(自分に意識が向き続けていると、人の話は聞けません)
と同時にお伝えすることとして、
・自分の中の衝動として出てきた声を我慢する必要はない。言ってもいい。ただし相手強要はしない。
こういうことをお伝えします。
そうすると、組織人の皆様などはこぞって、
「どういうことですか?」「こういう場合はどうなんですか?」
と質問攻めになります。(コーチはそれをエッジシグナルであるとも見ています)
Aならば、B。
こうなったら、こうする。
という教育を受けすぎてくると、マニュアル化できないことは”分からない”のです。
そして”分からない”ことは恐怖になるのです。
システムコーチングのコースにいらしている方の反応をみていてもそうです。
陰陽の世界というか、
清濁併せ持つ世界なので、
Aと同時にB
ということを含め理解していくことが求められます。
でも、多くの現代人の問題解決思考にはそういう理解のプロセスが認識されておらず、
???となります。
そして、
「『???』の状態で居続けてみてください。」ということをリーダーがお伝えすると、
気持ち悪くて、ムズムズする、なんなら講座に抗議したくなる、そんな方もいらっしゃいます。
そのくらい、現代の医療も、教育のあり方も、すべての人とのコミュニケーションも
白黒はっきりさせて、問題解決することがベスト!という当たり前の空気の中にいることに
我々はもはや無自覚なのです。
わかること=良いこと
わからない=よくないこと
という前提があるということですね。
でもわかるとは=分かつ(分ける・分断する)
分からない=分けない(共感する)
ということでもあるのです。
分かったような顔をしないこと、
分からないことを含み、探求していくこと。
そちら側にも同じくらい深淵な世界が広がっているとしたら。
現在、システムコーチングの学びの旅におられる方がいたら、
正しいツールのステップを知りたい。
コーチとして、どんな「言葉を使うといいのか」
どういうシステムになら、このツールをしていいのか?
たくさんの正解を知りたい方が多いと思います。
知ろうとすることは、素晴らしいことです。
でも正解を1つとして分かったように思うと、それはきっと分かっていないです。
そこに居続ける胆力、
想像もしえない未来に向かう勇気、
とてつもなく深くて広い世界なので、
正解をとりにこようとしていたら、
この学びのうまみは、きっと半減していますよ。
ネガティブ・ケイパビリティ
ご自身はどのくらい備わっているでしょうか?
簡単にわからない、ってこと自体が
価値であり、味わい深さ、本当に知る、
に繋がるんだよ。是非それを楽しんで。
早く、分かろうとしない。
共にいる力。