まずはこちらの引用からどうぞ。
すばらしい芸術はジャンルを超えて思想にも革命を起こすからです。
革命とは、ただ無闇にいちばん最初に手を挙げればいいものではありません。
根強い慣習や因習をふりきれる衝撃や発見や現実味がなくては革命になりません。
あきらめずに新しい信念を形にするのがアーティストなのです。
(中略)
芸術の世界の価値は、「その作品から、歴史が展開するかどうか」で決まります。
たとえば、職人さんというのは、お師匠さま、先代の方から授けられた知識、技術、教えなどを身体に記憶しています(=身体で覚える)。
記憶された「情報」の集積が、いま現在の、職人さんとしての、ご自身の信念です。
我々人は物事を判断したり、行動したりするとき、無意識レベルで、この信念に従って生きています。しかし、この価値基準は一時的なものです。
職人さんであれば、授けられたものを自らの土台として、さらにそこから飛躍していかれます。そこから、職人としての、ご自身だけの新しい冒険がはじまるイメージですね。
伝統、または歴史自体はそのままの形として残っていきます。しかし、その伝統や歴史を新しい時代へ継承していくためには、更新が必要です。
そうすることで、歴史が展開していきます。
職人さんは、ご自身の身体や心のあり方を作品を通して表現していく「表現者」です(なので心身に不具合があれば、それは如実に作品に反映していきます)。
たとえば、引用文の文脈でいえば、表現者の方に必要なものは、精神的、肉体的な強さ、しなやかさ(もちろん創造性も)。
しかし我々は自分の身体がスコトーマ(盲点)になっているため、自分の身体を意識にあげることがあまりありません。
たとえば、脊柱起立筋がねじれてしまっていたり、大腿四頭筋がコチコチに拘縮、癒着してしまっていたり、思いの外、内臓に負担がかかりすぎていたためにホルモン分泌が不安定になってしまっていたり・・・
こうした身体の状態が意識に上がれば、おもしろいほど身体は変わっていきます。そして、身体が変わることで、心もまた、変わるのです。
なぜ心が変わるのかといえば、ホルモン分泌の調整具合が変わっていくためですね。
身体が変わり、心が変わり、感じた方、見方、捉え方が変わっていくことで、これまでの価値を帰るような、新しい信念が生まれます(なので、絶対的な「価値基準」というものはありません)。
またお仕事においても、心身の変化により、これまで無意識に制限されていたご自身の創造性がどんどん解放されていくようになります。
身体を更新していくことで、表現者としての人生も、さらに楽しくなっていきますよ。
表現者にとって、身体は、歴史を展開していく上で、とても重要な概念ですね。