最近、急激によくなっているSさんという患者さんがいます。
Sさんは何年間も手が痛くて、ついには握ることさえ出来なくなっていました。
しかし当初、Sさんは膝が痛くなったということで来院していました。
何回か治療していくうちに膝はよくなって行ったのですが、ある日こんな相談を受けたのです。
「私はもう何年も前から手首が痛くて、握ることも出来ません。手首が変形していると言われているので痛みがひどくなると整形外科に行って痛み止めの注射を打ってもらっているんですけど、もう良くなりませんよね・・・」
私は逆にこんな質問しました。
「良くなると思いますか?」
Sさんは少しうつむいた表情でこう答えます。
「もう無理でしょうね・・・年ですから・・」
そこで私は即座にこう答えました。
「じゃあ治るのは無理かもしれませんね。」
「やっぱり無理ですよね・・・」
「そうですね・・・Sさんが治らないと思っている限り、治療しても良くなるのは難しいかもしれません」
「治したいと思いますか?」
「治ったらいいなとは思いますけど・・・」
「じゃあ治すために治療していくことに決めますか?」
このときSさんは半信半疑ではありましたが返事をしてくれました。
それから数回治療をしていくと、少し回復の兆しが見えてきました。
そこで私は二つだけこんなアドバイスをしたのです。
①痛くない範囲で自由に手首を動かしてください。
②これから少しずつ、手首に何らかの変化が起こってきます。どんな小さなことでもいいからよくなった事を確認して楽しんでくださいね
それから約一ヶ月あれだけ動かなかった手首が、ほとんど正常に動き、握れなかった指も完全に握れるようになりました。
辞めようと思っていた太極拳を再開することも出来たと喜んでいました。
私の治療がすばらしかったからでしょうか?(それもあるかもしれません(笑))
でも私がした事の本質は、治ろうとする気持ちにスイッチを入れたことだと思っています。
もう一度言います。何年間も治らなかった手首が一ヶ月で治ったのは、
「治ろうという心のスイッチがONになったからです。」
スイッチが入ってからSさんの行動に変化が現れました。
まずSさんは、今まで怖くて手首を固めるように使っていたことに気付きました。
あまり恐れずに痛くない範囲で自由に使うように指導するとそれだけで少しずつ動く範囲が広がってきました。
そうすると少し自信がでてきたSさんは次々と出来ることを増やしていったのです。
今まで痛くならないように、恐々使っていた為に固くなっていた手首の周りの緊張がとれて動く範囲も痛みもどんどん少なくなっていきました。
治そうという気持ちにならなければ、自分の痛みを作り出している本質に気付くことが出来ないのです。
年のせいだから・・仕事がこうだから・・・関節が変形してるから・・・ヘルニアだから・・・
もし、自分がもう治らないと思っている方がいたら、それはとてももったいないことかもしれません。
そんなあなたも、治そうという気持ちにスイッチを押してみませんか?