2018年8月1日(水)263日目

昨夜は色々ありながらも
できる限り
娘との時間を大切に過ごしました。



もう、ずっと呼吸がね…

ずっと隙間風のような、
狭い所をすり抜けてるような音がします。

ろっ骨をめいいっぱいに開くと
空気が入ってくるような

自然と空気を吸ってると言うよりは
時間になると肺が膨らむような

私にはそんな風に見えました。



この状態がもう何時間も続いていて
だんだんと私の心境にも変化が現れました。

とっても苦しそうに見えるけど
もうほとんど意識が無いのであれば
あまり苦しまずにいられているのかなぁ。

もう、幽体離脱でも何でもして
苦しい体から離れて楽になっててほしい。



私がいつまでも
「ママというお薬」を与えていては
きっと娘は頑張ってしまう。

「娘ちゃん、頑張って息吸って!」

息を吸うたびに

「えらいね〜。」と褒めて、

そんな言葉が逆に
娘を辛くさせているのではないだろうか。

娘の苦しみが伸びるだけではないだろうか。



「もう頑張らなくていいよ…」



そんな思いも出てきました。





夜中3時。

娘の体の向きを変えてあげました。

パパは横になり目を瞑っています。



4時。

写真を撮ったり、おててを握ったり、
心音を確認したり過ごしました。

呼吸は辛そうだけど
心臓はとても元気に動いています。



私はなんとなく
娘はまだ大丈夫だと思い
少しだけ横になりました。

なぜこの時、大丈夫と思ってしまったのか
今でも本当に後悔しています。



5時。

パパが「呼吸が止まった!」と言って
飛び起きました。

エッ?なにっ?嘘っ⁈

私もその声で飛び起きました。

二人慌てて
すぐに心音を確かめました。

もう洋服が擦れる音しか聴こえません…



(エッ?つーか私、今寝てた?)



そうです…



私、
いつのまにか眠ってしまっていました



今までどんな時も離れなかったのに…

最期はしっかりママが看取ってあげるって
思っていたのに…

最近、
朝方は少し調子が悪くなっていたのに…

マジ、
最後の最後にやらかしてしまいました



パパは横になりながらも
しっかりと音を聞いていたそうです。

色々腹が立つ事ばかりしますが
ブレない心がありました。



それに比べて私はブレまくりだ。

マヌケと言うべきか…

ツメが甘いと言うべきか…

本番に弱いと言うべきか…

自分の性格にため息しか出ません。



娘の最期はママの役目を果たせず
ママの弱さが存分に出てしまった最後に
なってしまいました。





ナースコールをし
看護師さんが心音の確認をしました。

「うん。うん。」と頷き

「先生を呼んできますね。」と

部屋を出て行きました。



すぐに先生がいらして確認をしました。

先生は
「まだ少し弱く動いています。」と
言いました。

でも、私もパパも
娘の心臓はもう止まっていると
思っています。



みんなが集まるまで
そのような言い方をするのかなって
思いました。



すぐにお互いの実家に電話し
みんなが集まるのを待ちました。



先生の言葉を信じ娘を抱っこしました。

何も変わらずただ眠っているみたいだけど
もう娘からは何の音も聞こえてきません。

でも、まだとっても温かい。


「頑張ったね。」

「怖くないからね。大丈夫だからね。」

「娘ちゃん大好きだよ。ありがとう。」

沢山想いを伝えたけど
やっぱり一番想っている事は

「ママを置いていかないでよ…」だけ。

でも、
そんな事口に出したら娘が困っちゃうから
娘の名前だけをずっと呼んでいました。



6時半。

一人、二人…と親族が集まってきました。

静かな病棟に
すすり泣く音が増えていきます。



みんな集まったので先生を呼びました。



先生は胸に聴診器をあて外すと
時計を確認し



「お空に帰られました。」と言いました。