幼稚園から中学生までの作品を収めた段ボールから出てきた日記。

それは、『あのねちょう』から始まる小学時代の宿題などで使っていた先生に見せるための数冊の日記帳。

それらの中に混じって、使いくさしたノートの元来の使い道であった『国語』や『あのねちょう』と記された箇所に二重線を引っ張って『H…10才の日記』と『もんくノート』と書き直した二冊のノートを見つけた。

『H…10才の日記』ときちんとした題が記されているため、初めから文句だけを書くつもりではなかったのだと思う。

小4になる時、父親の転勤で小学校を変わった。

見知らぬ土地で方言も違う。

聞きなれない言葉もあり理解できなかったり。

そんなこともあり4、5年生の頃はひどく荒れていた。

欲求不満に満ちていた。

家族へのうっぷんや学校での抑圧やいじめ…など。

この頃、体重が劇的に増えていたことは写真が証明している。

相当のストレスがあったものと思われる。

楽しいことは忘れてしまうもので、元々ものぐさなひきこもり人はわざわざそのことを日記に書こうとはしなかった。

読み返して思うことは小5の日記にしては、大変拙い。

ものぐさであったこともあるかもしれないが、わずか4日分程しか書き残されていない。

おそらく、文章にしたところで思うように自分の思いを表せなかったことも原因だったのではないかと思う。

残っている日記がもっと多くて不思議ではないほど、毎日のように理不尽にも叱られてばかりいた。