【※1998.3.19(木)PM6:07 19歳7ヶ月22日 ①の続き】

 

伝統工芸にしても同じことが言えると思うんだがね。

僕にしてみれば、楽器を持っているだけでも一向にかまわないと思うが、君はまた、それは許せない。

体裁だろう?

楽器はもっているが、眺めるだけで一向に奏でることが出来ない。

情けない奴だと、そう思われたくないんだろ?

でも実際、自分がすこぶる上手く、カッコよく奏でている自分を想像して習うことをする。

でも君は、習いごと、人にあれこれ言われたりするのが性に合わない。

そして、やめたく思う。
そのまた、楽器を押し入れに収めることや、何もやり遂げることができないこと、カッコつけマンだ、ということだとかの体裁が気になってしようがない。

それまた、傷ついたプライドを元気づけるための言葉を、又は理由を、ああでもない、こうでもないと考える。

結果、独学でいけるかもしれないとか、また習うチャンスはあるんだとか、楽器を持っているだけで満足だとか、あまり気の利かない言葉で自分自身に一生懸命言いかかせているだろ?

色んな楽器が欲しければ、体裁だとか何とかよりも集めればいいじゃないか。

できないだろう?

馬鹿にしている楽器に金なんて出せるわけがないものな。

愛すべくフルートが、単なる眺めものになっても体裁は気になるが、そんなものは傷ついたプライドを元気づけるための言葉でなんとかなりもするしで、11万一括払いで買ったことなど何を惜しもうか?

本心、少しも惜しい気はしてないのに、それを半減させるのは君の体裁に対するプライドの高さだろ?

また君は、そのプライドの高さで押しつぶされる自分を守るために、そのプライドがいかにも貴重であるかのように、いかにもそのプライドをその上誇りに思わせるだろ?

君はずいぶん黙っているが、当たっているからじゃないのか?

 

どうして君はそんなにまで知っているんだ。

僕以上に・・・。

 

僕以上に?

言っておくが僕は君のように頭でっかちじゃないんだ。

僕はただ知っている。

本当のことを言うまでさ。

君みたいに自分を苦しめるような飾りやチリがないだけなんだから。

僕に無いことを言えば『君』が出来上がってしまうまでなんだ。

また、君から飾りやチリを取り除けば、僕が得出来上がるまでのことさ。

そして、僕はいつでも君のそばにいて、いつでもあらわれることが出来るんんだ。

 

・・・・・・。