五大宝石と呼ばれている宝石があります。
ダイヤモンド、ルビー、サファイア、エメラルド、
これらの宝石は「ビッグ4」と呼ばれ高級宝石と俗称されています。
市場価値や流通性、歴史的価値、色彩のバリエーションなど、いずれも宝石を代表する石といえます。
これには誰も異論はないと思います。
さて、5つ目となるといくつかの候補があります。
中華圏の方であれば翡翠を挙げるでしょう。
日本人であれば真珠を押し出したくなります。
個人的な意見として、ジェムの概念からアレキサンドライトを五大宝石を指したいと思っています。
アレキサンドライトは、鉱物名はクリソベリル(金緑石)になります。
組成は BeAl2O4、モース硬度8.5の硬さもあります。
クリソベリルキャッツアイは一般的にキャッツアイと呼ばれる宝石として有名ですが、
アレキサンドライトも同じ鉱物なのは意外かもしれません。
アレキサンドライトの特徴は日光のもとでは帯青緑色、
白熱光下では帯紫赤色になる変色性を持つ事で、
愛好家は「昼はエメラルド、夜はルビー」と記されるなんとも欲張りな宝石です。
宝石の名前の由来は、ロシアの農奴を解放し1881年に暗殺されたこの皇帝に由来します。
1830年、アレキサンドライトは、ロシアのウラル山脈で発見されました。
現在ではスリランカ、東アフリカ、ブラジルで見つかっていますが、
これら新しい鉱床にはある程度上質の石が含まれていますが、
多くは、19世紀のロシアのアレキサンドライトほどの変色性を示すものはなく、
色合いも濁っています。
今でも、高名なウラル山脈産のアレキサンドライトをあしらった高級ジュエリーを見つけることができます。
ウラル山脈産の石は、この特殊な光学的現象を示す宝石の品質基準を示し続けています。
この色の変化は、結晶中のアルミニウムが一部クロムに置換されていることによって、
可視光スペクトルの黄色領域の狭い波長領域(520 - 620 nm)に強い吸光を示す事が原因になっています。
人間の目では緑色の波長領域の感度が高く、赤色領域では鈍いとされています。
そのため、全波長領域の太陽光では緑色が強くなり、
緑色と青色が弱い白熱灯や蝋燭の明かりの下では赤味を帯びて見えます。
この色の変化「アレキサンドライト効果」はタンザナイト等の多色性とは全く別の効果になります。
因みに、世界三大希少石とは
アレキサンドライト、パライバトルマリン、パパラチアサファイア
の3つの宝石のことを指す様です。