Fantasy on Ice 2024 in MAKUHARI

 

 

 

 

今回、テレ朝さんが5月22日に事前練習風景の動画を公開されたことから判明した、羽生結弦選手の右目上の大きな絆創膏。またなんとなく元気なさげで軽く軌道を確認するだけのような群舞の練習。普段は練習でも全力の羽生選手ですが、なんだからしくないなと思っていました。

動画を見ることができて嬉しい!!と同時に、私だけではなく多くのファンが「心配」の声をあげてしまいました。

 

 

 

 

そしたら、早速その直後にメンシプ(公式YouTubeのメンバーシップ)内で羽生選手自らご自分の言葉で説明されていましたね。

今までどんなに大きなケガをしても、事前に公表することはなかったのですが、今回は見えるところに絆創膏(しかもお顔に!)でしたので、これ以上ファンを心配させないようという羽生選手の心遣いだったのでしょう。

 

ケガの内容は5月25日スポーツ報知さんも書いていましたが、直前の5月21日に額を2.5cm縫ったとか。

 

 

 

 

そんなケガを抱えて、本来のパフォーマンスからは制限がある中、初日の様子(SNSから流れる会場の様子、当日夜から翌日の朝刊の記事など)を見る限りでは、全くふだんと変わらない様子。

(とはいえ、傷口の治癒、痛みは一体どうなっているのだろう??)

 

しかも、オープニングもフィナーレもほぼメイン状態。そしてFaOIでは9年ぶりに2つのプログラムも!?って、なぜにそれまでに羽生選手頼りなのか?Bツアーに参加しないので羽生選手自らやります宣言をしたのか?真相はわかりませんが、実質4曲分の登場なので鑑賞する側としてはとてもラッキーですよね。

 

 

 

 

幕張公演2日目の5月25日。

 

 

(幕張公演会場入り口)

 

 

もしかしたら初日に無理しすぎていないだろうか?本日は登場場面を減らしてくるんじゃなかろうか?なんなら滑らなくてもそこにいてくれたら十分!と思いながら、私は会場に向かいました。

(実は、FaOI幕張は今までチケットが獲れなかったので、私にとっては初幕張でした。しかも、今回私は仕事上の都合で幕張2日目しか行けないのです)

 

そのように、いろいろ心配をしましたが・・・

この方、華奢な見た目とはウラハラで、やはり世界のトップアスリート!もちろんお医者さんとの相談の上でしょうけど、ご自身のカラダは一番羽生選手がご存知のこと。始まってみたら私の心配なんて全くの杞憂でした。

ほぼ天井階から見ていると、明らかにいちばんキレッキレの動きをしていました。

 

 

今回の幕張公演。

2023年よりも演出面で大きく改善されていたので、ホッとしています。

まずは、昨年最も不評だった、リンクにでっぱるような移動ステージ(通称ルンバ)。

それを避けるためにステージ付近にスケーターが来なくなってしまい、その一帯へのファンサービスが疎かになっていたようです。

しかし、今回はステージを凹にして□のルンバだったことから、ルンバが引っ込んでいる間は、全く通常のステージと同じで、スケーターが動きやすくなりました。

 

そしてもうひとつ昨年の不評ポイントは、オープニングでの羽生選手のコールの扱い方。

例年「ユヅル ハニュー」とコールされた後に4回転トゥループのジャンプという見せ場が楽しみだったにも関わらず、昨年はいつのまにか群舞に混ざっていて、コールとジャンプのタイミングがあわないということもありました。(本当に残念でした・・・)

その点は、今回振り付けのジェフリー・バトルが改善されたのか、例年通りのタイミングとなり、モヤモヤが解消されましたね。

(ジェフは羽生選手をかっこよく魅せることにおいて、最も卓越した振付師だと思います)

 

 

(天井階から見た開演5分前)

 

(今回、スタート前の会場内をキレイに撮ることができませんでした)

 

 

 

前置きが長くなりましたが、羽生選手が演じた4プログラムについて

 

 

 

  Ray of Light

 

安田レイさんの歌で、オープニングから羽生選手中心に進んでいきます。特に、女性スケーター4名と群舞が続きますが、しなやかで柔らかな動きは、女性いやそれ以上に見えてきて、4名の中にいても一切の違和感なしとは!

 

 

 

 

 

 

 

  Danny Boy

 

このプログラムに込めた思いは「希望」。

過去あのころに見ていた願いの希望。

今現在、生きながらの現実的な希望。

そして、これから訪れる明るい未来への希望。

いつの時も希望を持って生きてほしい。そんな願いを込めたプログラム

 

なにより驚いたのは、第一部のラストの前に登場する「Danny Boy

羽生結弦 notte stellata 2024」で3日間披露し、私自身も現地で感激して、そして多くの方がもう一度見たいと願っていたプログラム。

(「美しい青年になったな」と親戚のオバチャンのような心境と、40代、50代になったらどんな表現になるのだろう?と継続して堪能していきたいプログラムです)

あの純白の衣装が見えた瞬間、大きな歓声が起きるものの、羽生選手が位置につくとピタっと会場は静寂に包まれます。ケガのために髪型はオールバックではないですが、ノッテより滑りこなしていて更に情感が増したように見えます。また、氷上は迷彩柄の照明だったことから、より戦争を意識せざるをえず「平和」を願う想いが心に響きます。

 

 

 

 

 

そして、第二部ラスト、オオトリに羽生選手が登場する際のアナウンスが、あまりにも的を射て胸に響きました。

 

プロフィギュアスケーターとしての覚悟を持って歩んできたこの2年間。

一切の妥協を許さずストイックなまでに濃密な努力を積み重ねてきました。

羽生結弦という名の新たなエンターテインメントの世界を確立させるために彼の挑戦はこれからも続く。

 

 

 

  Meteorミーティア)

 

いよいよ西川貴教さんとのコラボとして登場する「ミーティア」は、「機動戦士ガンダムSEED」の挿入歌。

羽生選手が単なるガンダム好きに収まることなく「戦いたくないのに、自分が戦わなくては皆を守ることができない」という主人公ミラがそのまま氷上に現れたよう。「天と地と」の上杉謙信公にも通じる、それは羽生結弦という生き方にも通じる孤高の戦士なのでしょうね。

会場で見ていたら、正直“一瞬”で終わってしまったと感じるほどあっという間。

 

(私はガンダムに疎いのですが、ガンダムファンの方の声をまとめると・・・

かつての友人で今は敵となってしまったアスランからもらった鳥型ロボット・トリィを、ミラが右肩に乗せるシーンがあるとか。小海途カメラマンがその一瞬を写真に収めています)

 

 

 

 

あとでCS放送で確認すると、確かに細かい所作などはガンダムっぽいところが詰まっていて、さすが羽生選手のセルフコレオだと感じました。

 

 

 

 

 

 

いずれも選曲が胸熱で、目頭も熱くなります。

選曲については、この記事が物語っています。

(私はこの記事で予習してから、2日目に臨みました)

 

 

 

 

 

  HIGH PRESSURE

 

フィナーレは、そのまま西川さんのパワフルな歌声。またまた驚いたのはオオトリでリンクを後にしてから羽生選手は3分40秒!?ほとで着替えて(しかも毎回ネックレスまで変えて!?)氷上に戻っています。

(「RE_PRAY」ツアーを通して早着換えの技も進化しているのですね!)

オープニングの衣装では右腕から脇まで出していましたが、フィナーレの衣装では両腕まで!?それにしても、こんなに肌の露出が多くても品があるのも羽生選手の魅力です。

西川さんのフリを完コピして観客を煽る!そして誰よりもノリノリのダンス、キレッキレのステップ。

 

 

 

 

2日目の最後には、公式の写真撮影があります。

撮影直後に、幕張ではコラボがなかった城田優さんには、羽生選手から握手を求めているシーンがありました。

(こ、これはもしかしたら、次の愛知公演最終日に「ファントム」で共演なんてないかしら?)

 

 

 

 

 

 

幕張公演最終日には、

・フィナーレの「HIGH PRESSUREで西川さんが「ゆづを制する者だけが、恋を制する」と歌詞を変えて歌ったそうですね。

・刑事さんと同級生コンビで最後にズサー。

・全スケーターやアーティストがはけて恒例の「ありがとうございました」のあと、羽生選手が扇動してバックヤードの皆さんにも「ありがとうございました」をされたそうです。

 

 

 

 

 

 

単に曲をかけて滑る、とか、音楽にあわせて滑るだけではないことを、ど素人の私でもわかります。

羽生選手はその音楽の背景、登場人物、ストーリーを全て把握した上で、その主人公に憑依する。場合によっては、その作者以上にその主人公になり切ったり、聞こえないほどの細かい音やリズムまで拾って体現する。だからこそ、多くの人の心をより深く深く揺さぶるのでしょう。

 

(これは、SEIMEIしかりオペラ座の怪人しかり、競技時代のプログラムからそうでした。

それが更にプロとなり「RE_PRAY」ではFFUNDERTALE、エストポリスなどのゲームの世界観をそのまま再現しているように、今回はガンダムの世界観ですね)

 

 

プロ転向後、単独公演では100%羽生選手のみ出場に慣れてしまうと、他のアイスショーはもう見ないという方もいますが。

多くのスケーターと出場したりアーティストとのコラボによって、ますます羽生選手のスケート技術の高さ(アスリート面)、音楽との親和性や確実性(つまりアーティスト面)が明確になります。なにより羽生選手ご本人が楽しく周回などでワチャワチャしている様子を見るのも、単純に微笑ましくて嬉しいです。

今回のFaOIの場合は、同級生の田中刑事さんも元チームメイトのハビエル・フェルナンデスもいますし。

(これは、今回のパンフレットを読んでいれば明確です)

 

 

 

 

(以下は、能登さん、矢口さん、貝塚さんの写真とともに)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後に・・・

4月の「RE_PRAY」宮城公演後からこのファンタジー・オン・アイス幕張公演までの間、羽生選手がどこで氷上練習していたのか、一切情報が漏れてきません。

また、今回のケガの治療についても事前に医療関係から情報が漏れていませんし、もっと言うと、東京ドームの「GIFT」も初の単独ツアーの「RE_PRAY」も、開幕前に一切内情についての情報は漏れていません。

 

このように羽生選手のまわりにいる方々への口の堅さへは、絶大な信頼を寄せることができます。

(週刊誌に出てくる、いわゆる「スケート関係者」の存在がいかにツクリモノかがわかりますね)

 

 

単独公演の際は、毎回のように「大きなケガなく」とコメントする羽生選手。

ということは、小さなケガやなんとか我慢できる範囲のケガは抱えながら、私たちには素晴らしいスケートを披露していただいているのではないでしょうか。

あれだけ唯一無二の表現を見せていただくその裏では、満身創痍の日々。

だから、毎回一期一会という意識でこれからも羽生選手を応援していきます。

 

 

 

(東京駅の交通広告)